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生命の理解につながるタンパク質の研究肌や臓器など生物のパーツを構成するタンパク質は、生命にとって重要な役割を果たしています。タンパク質の機能の解明は生命を追究することと同時に、創薬や医療などへの応用にもつながります。では、タンパク質はどのように作られているのでしょうか。
タンパク質を構成しているのは、20種類のアミノ酸です。アミノ酸の種類や数、連結される順番などにより、多様なタンパク質に作り分けられています。この内容を決めているのが遺伝子であるDNAです。DNAがどんなタンパク質を作るのかを指示しているのです。多様なアミノ酸で作る新しい物質人間も、酵母や大腸菌といった微生物も、タンパク質を合成する工程はほぼ同じです。したがって、微生物を利用すれば、スピーディーにタンパク質を作ることができます。でも、微生物の種類ごとに微妙な違いがあります。その違いを解明することで、より効率良くタンパク質を作れるようになります。
さらに、遺伝子操作によって設計図であるDNAを変えれば、新しいタンパク質を作れます。また、アミノ酸は、何百種もあり、人工的に作られたものを含めると膨大な量になります。これらを利用すると、今までにない新しい物質を作ることもできるでしょう。シルク以上に光沢のある繊維ができるかもしれないし、クモの糸より強力な物質ができるかもしれません。太古にも存在した微生物の研究で新たな分野を創るまた、近年になって21種のアミノ酸をもつ微生物(アーキア)が発見されました。これも多様な可能性を秘めています。メタンガスを発生させて生育するので、DNAを設計して大量のガスを発生させられれば、エネルギー問題に貢献できるかもしれません。さらに、アーキアは酸素がなかった地球史上の初期にも存在したと考えられる微生物です。きっとアーキアの研究は、生命の起源についての研究にもつながっていくでしょう。
このように、タンパク質の研究は、まだまだ未知の部分が多く、幅広い可能性を秘めた分野といえます。
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タンパク質はアミノ酸が多数つながった物質ですが、アミノ酸の並び方の違いで、その働きも変わってきます。タンパク質が作られる仕組みを詳しく知れば、アミノ酸の並びを自由に設計してタンパク質が持つ可能性も拡げられるはず、と考えて研究しています。
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