北見工業大学 工学部地球環境工学科 教授 南 尚嗣 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!海底表層メタンハイドレート
非在来型天然ガスのひとつとして期待されている「メタンハイドレート(MH)」。海底表層堆積物中の「表層型MH」に焦点を当て、生成環境と生成機構を解明するための基礎研究と今後の工学利用に向けた研究の取り組みなどについて解説します。
メタンハイドレートとはどんな物だろう?
メタンハイドレートを分析すると・・・?
ハイドレートの性質を研究する
海底表層メタンハイドレート
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう非在来型天然ガスとして期待される「メタンハイドレート」とは?
非在来型天然ガスのひとつ「メタンハイドレート」「都市ガス」は、一般に国外などから調達した天然ガスから製造されます。その主成分のメタンが、メタンハイドレートの形で海底や湖底の堆積物の中にもあることがわかりつつあります。現在、世界中でこの物質についての調査・研究が行われています。 日本でも、メタンハイドレートの調査が行われています。この物質は、水分子が水素結合でつながってナノスケールのカゴを形成し、そこにメタンが取り込まれているのです。メタンハイドレートを温めたり圧力を低くして分解させ、メタンを得ることが期待されています。作られている場所と作られ方を調査・研究メタンハイドレートは、低温・高圧下で水とメタンから人工的に作ることができます。北海道沖のオホーツク海の場合は、水深500メートルあたりの圧力と水温で作られています。メタンハイドレートが存在する堆積物の硬さや特徴も調べられています。また、メタンは、海や湖の底にたまったプランクトンなどの有機物が、主として微生物や地熱によって分解されて発生することが明らかになっています。さらに、ロシアのバイカル湖の調査で水分子を分析したところ、湖の水ではなく、地底から沸き上がっている水が使われていることが確認されました。メタンハイドレートへの期待メタンを多く得るには、水分子のカゴに取り込まれるガスがメタンである必要があります。メタンと一緒にほかのガスが取り込まれると結晶構造が変わるので、メタンのカゴへの取り込まれ方が変わります。また、カゴの空き部屋が多いと多くのメタンを得ることはできません。そこで、どれくらいカゴが埋まっているかも評価します。 メタンハイドレートは将来の貴重なエネルギー資源として期待されています。この研究は、将来新しい産業に結びつくかもしれません。メタンやメタン以外のガスハイドレートの工学的な利用も期待されています。また、エネルギーの地産地消など、これまでと違うエネルギー循環も期待できるでしょう。先生からのメッセージ
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