九州工業大学 情報工学部知的システム工学科 教授 鈴木 恵友 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!電子メカスマートフォンの秘密
身の回りの電灯、調理器、テレビ、スマートフォンなど、どれをとっても半導体素子がなければ動作しません。半導体素子をつくるには原子レベルの研磨技術が不可欠であるのはご存知でしょうか。本講義ではこれらの最先端技術や今後の展望について解説します。
この学問にはどんな未来が待っていますか?
この学問について最新のトピックスはありますか?
この学問を究めるのに向いているのはどんな人ですか?
電子メカスマートフォンの秘密
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう「100万分の1ミリ」の世界が、ものづくりの可能性を無限に広げる
「金」の粒子は、金色ではなく赤かった?金や銀の粒子が何色か知っていますか? 「金は金色、銀は銀色に決まってる!」と思うかもしれません。しかし、金、銀の粒子を「ナノ」スケールまで小さくすると、金はまるで赤ワインのような色に、銀は鮮やかな青に見えるのです。100万分の1ミリというナノの世界では、私たちがふだん目にしている世界とは異なる現象が発生します。その物質特性を活用したり、ナノスケールの物質を操作・制御したりする技術が「ナノテクノロジー」です。ナノサイズの3次元加工も可能に「MEMS(メムス)」という言葉を聞いたことはありますか。「マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズ」の略で、センサーや駆動装置と電子回路とを、1つのチップに集積した超小型装置のことです。 すでに、医療、工業などの分野で活用されているMEMSの技術ですが、さらに高度化させることで、現在以上に高精度・高機能な装置を作り出すことが可能になります。 今以上の「超精密加工」を実現するため、ナノサイズの粒子を電気や磁気で操作し、加工したい物体を削りながらナノスケールで3次元加工する、「サイクロマシニング」技術の研究もスタートしました。日本の「ものづくり」を発展させるナノテクノロジーナノスケールの超精密加工を進歩させることで、夢のような製品や設備が現実のものになるでしょう。 例えば、鉛筆の芯などの材料である炭素は、ナノの世界では比較的高い温度で「超伝導(電気抵抗がゼロに近い)」状態になることがわかっています。この性質を活用すれば、リニアモーターカーや病院のMRI(磁気共鳴画像)装置など、超伝導を用いている設備を、今より小さく安価に作ることができます。MEMS技術が高度化すれば、皮膚に当てた光の反射率だけで、血液成分を調べられるような、画期的なセンサーも実用化できるかもしれません。近い将来、日本の「ものづくり」は、ナノテクノロジーによって大きな飛躍が期待されているのです。先生からのメッセージ
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