徳島大学 理工学部 理工学科 光システムコース 教授 原口 雅宣 先生

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ナノの光に夢をもとめて
日本人研究者が青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した例でもわかるように、光に関連する科学技術は、常に最新科学を取り込み、変化しています。ナノ構造での光の振る舞いを解説し、それを利用して新しい科学や産業を拓く、さまざまな取り組みを紹介します。
先生からのメッセージ
私は「ナノの光」に関する研究を行っています。光の分野でも、光をナノメーターやマイクロメーターといった非常に小さな長さの単位で測る領域に閉じ込めて、それをうまく生かした材料や、検査技術、光機能性素子の研究です。光に関する研究は関連する科学分野の知識や知恵、技術を取り込みながら常に変わっていくため、新しさを失うことなく面白いものです。また、いろいろな分野の研究と組み合わせることで、世の中に役立つ技術を次々に作ることができます。私と一緒に、大学で研究をしませんか。
先生がめざすSDGs
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ステンドグラスの赤と黄色の秘密
光は身のまわりにあふれています。当たり前にあり過ぎて、あまり意識したことはないかもしれませんが、波と粒子の性質を併せ持つ電磁波である光の性質を理解すると、いろいろな役に立つものを作り出せます。ステンドグラスはその一例です。ステンドグラスに使われている赤や黄色は、ガラスの中のナノサイズの金属微粒子がそれらの補色である緑や青の光をつかまえて散乱してしまい、残った色が目に映ります。本来光は、波としての性質から、ナノサイズの微粒子には反応しにくい性質を持っていますが、金属微粒子の電子の動きと特定の波長成分だけが結びつき、結果として散乱されます。一方、赤と黄色以外の色は、ガラスの中の金属イオンの光吸収により生じます。昔から、ステンドグラスは作られてきましたが、これらの物理的現象が解明されたのは20世紀になってからです。
医療分野で役立つ光の技術
光を狭い領域に閉じ込めると、局所的に強度が強くなります。光を閉じ込めるというと、鏡などで光を反射させて閉じ込めるようなイメージがありますが、その方法以外にも、光を狭い場所での電子の動きとうまく結びつかせると、一瞬「閉じ込めた」状態を実現できます。
その方法でできた狭い領域での強い光を用いると、光信号で情報を処理できたり、ごく微量の物質を見つけたりすることが実現できます。例えば、ごくわずかな血液や唾液を分析し、病気の有無を調べることもできます。薬の開発の現場では、分子とくっつく薬の候補をいち早く調べることができるので、この原理を用いた検査技術は欠かすことができません。
将来を照らす光の研究は重要
光に関連する研究は、それだけ単独で技術や商品となるようなものではなく、生活や科学技術の基礎を支える縁の下の力持ちのようなものです。しかし、ネットワークやソフトウェア、省エネルギーなど、思いもよらないほかの分野とコラボレートすることで、さまざまな可能性が広がっていく重要な研究なのです。
先生からのメッセージ
私は「ナノの光」に関する研究を行っています。光の分野でも、光をナノメーターやマイクロメーターといった非常に小さな長さの単位で測る領域に閉じ込めて、それをうまく生かした材料や、検査技術、光機能性素子の研究です。光に関する研究は関連する科学分野の知識や知恵、技術を取り込みながら常に変わっていくため、新しさを失うことなく面白いものです。また、いろいろな分野の研究と組み合わせることで、世の中に役立つ技術を次々に作ることができます。私と一緒に、大学で研究をしませんか。
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