九州工業大学 情報工学部情報・通信工学科 教授 黒崎 正行 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!テレビや携帯電話を支える「デジタル」とは
「デジタル」とは、情報を「0」や「1」を使って表現することです。「0」や「1」で何ができるでしょうか? 講義ライブでは、テレビや携帯電話を支えているデジタル技術について解説しつつ、近未来のテレビや携帯電話についてもお話しします。
「0」と「1」の情報送信の仕方
身近なデジタル技術
デジタルと暗号の関係
テレビや携帯電話を支える「デジタル」とは
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみようスマホで観るストリーミング動画が、高精細映像に進化するかも!
分け合っているので「理論値」の通信ができないアーティストの動画をスマホやタブレットで観賞中、映像がストップしたり、全画面表示にすると画像が粗くなったりして、イライラした経験はありませんか。私たちが使っているスマホの無線LANは、最大で約300Mbps、つまり1秒あたり300メガビットのデータ伝送が可能な設計ですが、実際には40~50 Mbps程度しか伝送されていません。一定容量の電波を常に複数ユーザーが「シェア」している状態なので、「理論値」通りのデータ量をやり取りするのは不可能なのです。もっと圧縮できればテレビの楽しみ方も変わるハイビジョン映像のデータ量は、約1.5G(1500M)bpsにも達します。映像や音声を大幅に圧縮し、電波を効率的に使用する技術を用いることで、膨大な量のデータを送っているのです。このように、「映像や音声を圧縮する技術」「それを高速に大容量伝送する技術」「圧縮した映像・音声を歪みなく復元する技術」がもっと進歩すれば、Wi-Fi接続でハイビジョン映像が楽しめるようになるでしょう。現在、72 Gbpsというスーパーハイビジョンの放送開始に向け、従来の2倍以上の圧縮率を実現する圧縮技術や、通信容量を大きくする技術の研究が進められています。スマホのストリーミング動画も高精細映像に進化するかもしれません。無線だからこそ著作権保護技術も重要にハイビジョン映像が無線LANで楽しめるようになると、本来は利用料金を支払ったユーザーしか見られない映画などが、電波が届く範囲にいるすべての人たちに「タダ見」されてしまうかもしれません。ですから著作権保護のために、伝送時には映像の解像度を低くするなどの対策が必要です。ただし、正規ユーザーはきちんとした高精細映像が見られるよう、完全に復元できる技術も必要です。 一般家庭の無線LANで、ハイビジョン映像を楽しめるようにするには、データ圧縮と大容量伝送、さらに著作権保護の技術も進歩させる必要があるのです。先生からのメッセージ
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