山口大学 工学部社会建設工学科 准教授 吉武 勇 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!ゴミからつくるウマいコンクリートのレシピ
私たちの生活はたくさんの「土木」で支えられており、そこには必ず「コンクリート」が使われています。セメント・水・砂・石を多様に混ぜてつくるコンクリートは料理に似ています。環境に優しく、長持ちするコンクリートの作り方(レシピ)を講義します。
「コンクリート」とは何だろう?
「セメント」と「地球環境問題」の関わり
長持ちするコンクリートを作るためには
ゴミからつくるウマいコンクリートのレシピ
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう産業廃棄物を利用して、強固で耐久性に優れたコンクリートをつくる
コンクリートの優位性とはコンクリートは、セメントに水と砂や砂利を混ぜてつくります。セメントと水だけでは固まってもひび割れが生じますが、砂や砂利を混ぜることで強固になり、量も増えます。セメントは主要成分である石灰石と粘土などを焼成してつくります。コンクリートは強固で耐久性に優れるので、さまざまな構造物を造るのに適しています。利点は、安価にいろいろなカタチのものを造れることです。世界の構造物の多くがコンクリートでできているのはそのためで、今のところコンクリートに代わる材料はありません。コンクリートの劣化を防ぐにはコンクリートの問題点は、ひび割れて劣化することです。特に引っ張り力に弱く、ひび割れが大きくなって崩壊することもあります。それを防ぐために引っ張り力に強い鉄筋を入れますが、ひび割れるとそこから水や大気中の炭酸ガスが侵入し、鉄筋が腐食してしまいます。そこでコンクリートの耐久性を向上させるために、灰を入れます。灰を入れるとコンクリートの流動性がよくなるので、隙間のない緻(ち)密なコンクリートをつくることができるのです。さらに、コンクリートに混ぜる砂や砂利も重要です。そこで、良質な灰や砂、砂利をどこから調達するかが、コンクリートの性能はもちろん、コスト面でも大きな課題となります。産業廃棄物を利用する実は、灰は石炭を燃やす火力発電所の廃棄物から得られます。製鉄所からも、同じような作用がある「スラグ」という廃棄物を調達できます。これらは産業廃棄物なので、本来なら費用をかけて処分しますが、コンクリートの材料として有効活用できるわけです。原料となる石灰石を地元で得られる福岡や山口には、セメント工場がたくさんあります。ただし、石灰石が豊富に採掘できるといっても、限りある資源です。 天然資源の使用を抑えながらコンクリートの性能を高め、劣化させないで維持管理することと、コンクリートそのもののリサイクルが技術的な課題となっています。先生からのメッセージ
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