公立諏訪東京理科大学 工学部機械電気工学科 教授 星野 祐 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!全方向移動型パーソナルモビリティの開発
次世代の移動支援機器として、自然環境や人間社会との親和性が高い、「パーソナルモビリティ」と呼ばれる自動車があります。ロボット制御技術を応用し、どの方向にも移動できるものを開発しました。その開発過程を紹介します。
パーソナルモビリティとはどういうもの?
球乗り型パーソナルモビリティの提案
パーソナルモビリティの制御
全方向移動型パーソナルモビリティの開発
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう二足歩行ロボットが歩くのは「制御」の理論が背景にある!
制御ってどういうもの?機械の「制御」と聞いて、どういうことをするかすぐに思い浮かびますか? 制御は、設計や材料と違って外からは見えにくい分野ですが、平たく言うと「機械を目的に合わせて動かすこと」を指します。例えば、ある二足歩行ロボットは重心が上にあるため、電源を入れていない状態では自立すらできませんが、モーターを動かし各パーツに働きかけることで、バランスを取りながら立って歩けるようになります。動く部分がある機械は、モーターで力を与えないと動きませんが、モーターの出力と各パーツの動きの関係を、全体的に把握し、うまく動かしていくことを「制御」と呼びます。二足歩行ロボットが、転ぶことなくバランスを取って歩けるという現象の背景には制御の理論があるのです。制御の本質は数式だ!機械を望みどおりに動かすためのシステムを作るには、外から動きを見ているだけでは限界があるので、数式を使って理論的に考えていきます。それには、物理でいう運動の法則(ニュートンの第二法則)にのっとって、モーターが出す力と機械の動きを数式で書き表します。動きを数式で表現すれば、それを制御するための数式=制御手法を考えることができます。「数式」対「数式」の世界です。このように物理を使って実物から数学の世界に行って、そこから電子回路や機械の実物に戻ってくるという過程を経るわけです。ただし、実際に機械を動かすには、数式の理論だけでなく、実験で検証することも大切です。分野を横断して活躍する制御機械を作り動かすのは制御だけではありません。材料、加工、構造設計、モーター設計など形を作る過程があって、初めて制御が登場します。いろいろな方面の協力があってこそ、目的に合わせた動きを考えることができます。また、数式でモデル化し制御する動きを計算する理論は機械だけでなく、ものづくり全般、さらには電子や経営などの分野を横断して使える広がりをもったものの考え方なのです。先生からのメッセージ
- このTALKも見てみようは英語字幕あり