富山大学 工学部工学科 応用化学コース 准教授 石山 達也 先生
この夢ナビTALKは英語翻訳されています。動画の右下の字幕のアイコンをクリックすると英語字幕が表示されます。
30分のミニ講義を聴講しよう!もう一つの化学実験! 分子シミュレーション
「化学実験」と言えば、普通はビーカーやフラスコなどを思い浮かべるでしょう。しかし最近では、分子の運動や反応をコンピュータで予測する方法が広く応用されています。「水」を例に、実験では決して見えない分子の多様なふるまいをお見せします。
「界面」の分子シミュレーション
分子シミュレーションで計算していること
吸収スペクトルをシミュレーションで計算
もう一つの化学実験! 分子シミュレーション
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみようさまざまな分野で応用できる「分子シミュレーション」
実験の前に予測を立てるコンピュータによる分子シミュレーションは、分子・原子レベルのあらゆる現象に応用できます。例えば「オゾンホール形成に関わる大気反応のメカニズムを知りたい」という地球規模の現象の根本に関わる分子シミュレーションもできます。ですから、いろいろなメーカーが「商品開発にシミュレーションを使いたい」と考えています。商品開発にかかる実験の時間と経費を節約できるからです。特に創薬については、何万通りの合成物を試す必要がありますから、実験の前段階でおおまかな予測を立てるためのツールとして、分子シミュレーションが必要なのです。次世代スパコンで広がる可能性万能に見える分子シミュレーションですが、欠点があるとすれば、計算で扱うことができる分子の数に限りがあることです。近年、シミュレーションは大規模化しています。理化学研究所計算科学研究センター(神戸市)に設置されたスーパーコンピュータ「京(けい)」によって計算できるのは、数十万から数百万の分子シミュレーションまでです。「京」は2019年8月16日に計算資源の共用を終了し、性能が100倍程度に向上した新しい「次世代のスーパーコンピュータ」に置き換えられる予定です。そうなると分子シミュレーションができる規模は拡大するはずです。動画で直感的に現象を理解できる実験と比べるとシミュレーションは分子の挙動を動画にして直接見ることができるので、直感的に現象を理解できます。現在の研究は「実験でわからなかったことを、シミュレーションで明らかにする」というスタンスですが、今後は「シミュレーションが予言したことを、実験で確かめるというレベルにまで手法を向上させる」ということが目標となります。 研究ツールとしてさまざまな可能性がある分子シミュレーションですが、この分野に携わる研究者は全国に散らばっています。共同研究の機会が広がれば、分子シミュレーションが多くの分野で応用されるようになるでしょう。先生からのメッセージ
- このTALKも見てみようは英語字幕あり