群馬大学 情報学部情報学科 教授 奥 寛雅 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!生活に溶け込む次世代映像メディア技術
これまでディスプレイやスマートフォンの上でのみ再生されていた映像メディアですが、日常生活に溶け込む形の、次世代の映像メディア技術が開発されてきています。身のまわりのものがすべてディスプレイになる、そんな未来の技術を紹介します。
綺麗な撮影はロボットにおまかせ?
撮影技術の可能性
動くプロジェクションマッピング
生活に溶け込む次世代映像メディア技術
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう球の動きを高速で追う技術、「ダイナミックイメージコントロール」
カメラがボールを追うテクノロジー野球やゴルフ中継の映像を見ていると、飛んでいくボールをカメラがとらえきれないという場面を目にすることがあります。小さくて速く動くものをカメラが追うというのは、かなり難しいことなのです。しかし現在、自動的にボールの動きを追う技術が開発されています。例えば、卓球のラリー中の球を、画面の中央にアップで正確にとらえ続けることができます。 こうした、これまで人間の目では把握できなかった現象をわかりやすく映像として伝えるための技術は、「ダイナミックイメージコントロール」と呼ばれ、そこには、さまざまな最新のテクノロジーが活用されています。画像処理とカメラ、レンズの開発使われているのは、高速画像処理の技術です。まず、とらえた画像を一瞬で判断して球の位置を認識します。次に、カメラがそれを追うのですが、重いレンズを瞬時に動かすことは困難です。そこで、小さな2枚の鏡を高速で動かすことで、常に対象の像をレンズにとらえることを可能にしたのです。さらに、「液体でできたレンズ」を使用すれば、瞬時に形を変えることで焦点を合わせることも可能です。 これらの技術を利用すると、これまでは建物など動かない壁のみをスクリーンとしていたプロジェクションマッピングを、はずむボールなど動いているものをスクリーンとして行うことも可能になりました。さまざまな分野に応用可能ダイナミックイメージコントロールの技術は、スポーツ中継をよりダイナミックな映像にすることはもちろん、ボールの動きを分析することで、球技を力学的に解明していくことにもつながるでしょう。 さらに、さまざまな分野への応用が期待されています。エンターテインメントの演出として利用したり、高速での画像処理は、車の自動運転で歩行者の飛び出しを認識することにも応用できます。ほかにも、工場の生産ラインの効率化や、バイオや医療の分野において、動いている生体内をモニターする技術など、幅広い分野に応用可能な技術であると考えられています。先生からのメッセージ
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