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30分のミニ講義を聴講しよう! 次世代デバイス材料 インジウムアンチモン

インジウムアンチモン(InSb)は、次世代の超高速・超低消費電力デバイス材料として注目されています。講義ライブでは、これまで磁気センサや赤外線センサとしてしか利用されてこなかったInSbを用いたトランジスタの実現に関する研究を紹介します。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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パソコンなどの電子機器は新機種が出るたび、データの処理能力が上がっています。それは半導体の性能が改善されているからです。半導体の研究は、未来のものづくりに必ず役立ちます。
私は日ごろ、目に見えない原子レベルの構造を用いた半導体について研究しています。いろいろな現象を理解するためには、起こったことを数字や式に置き換えて理解することが大切です。つまり数学・物理は仕事の道具です。それらを高校生のうちにしっかり学んできてください。産業の発展に直結した研究を一緒に続けていきましょう。

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家電や電子機器は高性能化が進む 冷蔵庫やテレビなどの家電製品や、スマートフォンなどの電子機器は年々、高性能になり、多機能化が進んでいます。また最近の自動車は車間距離を自動調整するなど、自動運転を視野に入れた性能を備えたものが開発されています。そして、家電製品や電子機器、これらを製造する機械や装置にはマイクロプロセッサが組み込まれており、半導体が使われています。そのため、半導体の性能が上がることで製品の性能もアップするのです。半導体なしでは世の中が回らないほど、いろいろなところで使われており、半導体は産業の発展に直結しています。 シリコン基板を薄い膜で覆う技術 現在、使われている半導体の基板の多くはシリコンが使われています。これまでは素子のサイズを小さくすることで性能を上げてきましたが、それがだんだん難しくなってきています。そこで近年は構造や材料を変えることで半導体の性能をさらに向上させようとする取り組みが進んでいます。その一つが「インジウムアンチモン(InSb)」という化合物半導体の薄い膜で基板を覆ったものを用いた製品です。 原子の結合に着目し特殊加工 これまでInSbは、単独で赤外線センサーや磁気センサーの材料として使われていましたが、高価でもろいという欠点がありました。そこで、原子の結合に着目し、超高真空の状態で行う特殊な加工方法が開発されました。特殊な方法とは、シリコン基板表面にインジウムを結合させた後で、アンチモンを付けるというやり方です。シリコンの上にInSbを載せようとするのは、大きさの異なるボールを積み上げようとすることと同じで、原子の大きさが違うので不安定でした。しかし、先にインジウムを結合させることで安定するのです。
これにより、高速で消費電力が小さい高性能なトランジスタを作ることに成功したのです。このInSbは、電子の移動速度がシリコンの5倍速いので、大幅な性能の向上が期待されています。

先生からのメッセージ

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パソコンなどの電子機器は新機種が出るたび、データの処理能力が上がっています。それは半導体の性能が改善されているからです。半導体の研究は、未来のものづくりに必ず役立ちます。
私は日ごろ、目に見えない原子レベルの構造を用いた半導体について研究しています。いろいろな現象を理解するためには、起こったことを数字や式に置き換えて理解することが大切です。つまり数学・物理は仕事の道具です。それらを高校生のうちにしっかり学んできてください。産業の発展に直結した研究を一緒に続けていきましょう。

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富山大学
工学部 工学科 電気電子工学コース
准教授 森 雅之 先生