佐賀大学 理工学部理工学科 都市工学部門 教授 三島 伸雄 先生
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30分のミニ講義を聴講しよう!建築×まちづくりデザインが生活を変える
人口減少、空き家増加、グローバル化、さまざまな課題が現代社会に渦巻いています。そして街の個性を発見・活用し、自信をつけ、仕事をつくることが求められています。持続できる生活空間のトータルデザイン、それがこれからの建築×まちづくりデザインです。
なぜ建築×まちづくりが必要なのか?
ソフト事業の科学
改築によるまちづくり
建築×まちづくりデザインが生活を変える
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう地域住民にも、観光客にも喜ばれる「まちづくり」の手法とは
観光地を再生するためにすべきことは?全国各地の寂れた観光地の再興計画として、どんなプランが考えられるでしょうか? 「建築デザイン学」では、新しい建物を作ったり街並みの一部を変えたりすることで、「まちを元気にする」手法を研究します。しかし外観だけを新しくしても、そこに暮らす人々や観光客などに受け入れられなければ、手間とコストをかける意味がありません。十分な下調べや、住民からのヒアリングなどが必要なのです。歴史や伝統を生かして観光客をひきつける観光地再生の成功例として、佐賀県鹿島(かしま)市の「肥前浜宿(ひぜんはましゅく)」があります。ここは、有明海に面する漁師町で、長崎街道沿いの宿場町、佐賀平野の米を生かした醸造町として発展しましたが、少子高齢化と共に、建物の老朽化も進んでいました。 約20年前、まちの人たちが立ち上がり、古い酒蔵を生かしてイベント会場にしたほか、旧武家屋敷を修繕するなどで、酒蔵を中心としたまちづくりを推進しました。白壁の蔵や茅葺(かやぶ)き屋根の屋敷などが残っていることから、「重要伝統的建造物群保存地区」にも選定されました。通称「酒蔵通り」に、花や伝統工芸品の陶器を飾ったり、著名なピアニストを招いて酒蔵コンサートを開催したりして、話題作りにも力を入れました。その結果、恒例の観光イベントでは2日間で約9万人が訪れるなど、観光客ゼロのまちから春・秋の休日には多くの観光客が訪れるようになりました。発想力と総合的な判断力でまちを元気にする近年、地域の歴史や文化、自然を生かすまちづくりが進められています。また、新しい起業家を誘致したり、駅などの人が集まる地点を中心に新たな「にぎわいの場」を生み出すことも行われつつあります。 いずれにせよ、まちを元気にするには、まちのよさをどう引き出すか、住民ニーズをどのように反映させるか、観光地への集客の仕掛けをどうするかなどを、総合的に判断しなければなりません。そこが、建築・都市デザイン学の難しさであり、やりがいでもあるのです。先生からのメッセージ
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