宮崎公立大学 人文学部 国際文化学科 メディア・コミュニケーション専攻 教授 森部 陽一郎 先生

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機械オンチとスマホとインターフェース
スマホは、今やほとんどの人がなくてはならないモノとして利用しています。なぜ、こんなに広がったのでしょうか? その理由を、使うための操作方法やその概念「インターフェース」という視点から考えていきましょう。そこからいろいろな問題が見えてきます。
先生からのメッセージ
私の専門は情報デザインです。人文学部なのになぜ「情報」なのかとあなたは思うかもしれません。情報はコンピュータの中にあるのではなく、あなたの身の回りにあります。そのような広い意味での情報を扱っていて、それをどのように使いやすくするかを考えています。情報を扱うには教養が必要です。インターネットで検索すると多くの情報が得られますが、それがあなたにとって必要かどうかは、あなた自身が判断するしかありません。情報をデザインする場合も同じです。そのような教養を身につけてほしいと思います。
先生がめざすSDGs
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高齢者にとってスマートフォンが使いやすい理由とは
スマートフォンは経験がなくても操作できる
タッチパネルで操作するスマートフォンが普及しています。従来のボタン式の携帯電話と何が違うのでしょうか。ここでは、「インタフェース(機器や装置と人間の接点、接する部分)」について考えてみます。従来のボタン式の携帯電話しか使ったことのない高齢者にスマートフォンを使ってもらうと、「最初は戸惑うけれどすぐにわかるようになる。文字を大きくできるのがいい」という意見が圧倒的でした。「すぐにわかる」のは、知識や経験がなくても少し触っただけで操作の意味(機能)が理解できるためだと考えられます。タッチパネルを採用したスマートフォンは、学習効果の高い端末なのです。
ユーザーに経験を求めるボタン式携帯電話
これに対し、従来の携帯電話は複数のボタンの機能を覚えなければなりません。アプリは全体を一覧できないため、目的の機能をすぐに呼び出すにはどのボタンの部分に何が入っているかを記憶します。自分が今どの位置にいるかを認識しながら操作する必要があるので慣れるまでに時間がかかります。従来の携帯電話は、ユーザーに経験を求める端末なのです。しかし、この比較からただちにスマートフォンのほうが優れているという結論にはなりません。ボタン式の携帯電話はユーザーに経験の蓄積があれば、それを生かしてさらに高度な機能を提供できるからです。どんな層をターゲットにするかで、設計は変えたほうがいいのです。
無駄な機能は少なければ少ないほどいい
インタフェースを考える上でもうひとつ重要な要素は、ノイズ(不要な情報)です。あまりに不要な機能が多いと、そのために必要な機能が見えにくくなります。携帯電話の多機能性を商品のメリットとして宣伝することがありますが、ユーザーにとっては決してメリットだけではありません。何でも追加するという発想は、逆の効果をもたらすことがあります。必要でない機能をいかに外せるかが、よいインタフェースを作る上で重要なのです。
先生からのメッセージ
私の専門は情報デザインです。人文学部なのになぜ「情報」なのかとあなたは思うかもしれません。情報はコンピュータの中にあるのではなく、あなたの身の回りにあります。そのような広い意味での情報を扱っていて、それをどのように使いやすくするかを考えています。情報を扱うには教養が必要です。インターネットで検索すると多くの情報が得られますが、それがあなたにとって必要かどうかは、あなた自身が判断するしかありません。情報をデザインする場合も同じです。そのような教養を身につけてほしいと思います。
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