千葉商科大学 人間社会学部 教授 齊藤 紀子 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!紙で象と人を救え!-あるビジネスの挑戦
住みかと食べ物をもたらす森を人間に奪われた象が、人里で人々と衝突する。それを救ったのは、象と人が一緒につくる紙だった! 誰もが仰天するユニークな製造方法とアツいビジネスを事例に、社会的課題の解決を図る「ソーシャルビジネス」について解説します。
この紙の原材料は何でしょう?
問題解決を目的として
ソーシャルビジネスとは
紙で象と人を救え!-あるビジネスの挑戦
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう社会を変えていく―「ソーシャルビジネス」がもつ可能性
ソーシャルビジネスとは何か少子高齢化、貧困、環境問題、子育て、教育、介護、国際紛争など、社会的課題は山積し、多岐にわたります。これらの課題に政府やボランティアなどが取り組んでいますが、それでも解決しきれない課題もあります。そうした課題をビジネスの手法を用いて解決するのが「ソーシャルビジネス」です。 通常のビジネスとの大きな違いは、利益ではなく社会的課題の解決を目的とし、新しい社会的価値を生み出している点です。お金を儲けることは目的ではなく、あくまで社会的課題を解決するための手段にすぎません。ソーシャルビジネスには、社会性と事業性を両立させること、そのため今までにない商品や仕組みをつくる革新性が求められます。組織形態は、株式会社やNPOなどさまざまです。続かなければ意味がない途上国で水質浄化事業に取り組んでいる会社があります。納豆に含まれるネバネバ成分で浄化剤をつくり、バングラディシュなどで現地の人々を雇用して販売しています。この浄化剤を汚れた水に入れてかき混ぜ、不純物を沈殿させた後にろ過すると、安全な飲み水をつくることができるのです。この会社は、水質浄化を実現すると同時に、人々が安く入手できるような販売体制を築き、収益をあげ、途上国での雇用も生み出しました。水は毎日使うもの、無償提供には限界があります。どんなに良いことも、続けることができなくなってしまっては意味がありません。このように事業性を保ちながら、これまで気づかなかった革新性をもって、継続的に社会的課題を解決するのがソーシャルビジネスなのです。学ぶことで出会い、出会いが新しい未来を開く社会的課題を知るプロセスでは、ショッキングな事実にふれることもあります。しかし、一方でその問題に取り組む「お手本とすべき人」や「すごい人物」に出会える機会も多くあります。ソーシャルビジネスを学ぶ中で、多くの人と出会い、いろいろな話を聞きながら、自分の興味や考えをどんどんぶつけていくことが、新しい未来を描くきっかけになるかもしれません。先生からのメッセージ
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