追手門学院大学 社会学部社会学科 教授 上田 滋夢 先生
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30分のミニ講義を聴講しよう!ガバナンスー社会の中でみえてくるスポーツの見えない力
私たちが生きる社会では「争い」が絶えません。しかし、なぜかスポーツは「争い」を基本にしながらも社会秩序を保っています。このスポーツにみられる「見えない力」に着目し、社会が平和に「治まる」要因を見出し、ガバナンスとはなにかを探究していきます。
この学問には感動やワクワクがありますか?
人生の分岐路で、この学問と他の何かで迷われたことはありますか?
この学問を究めるのに向いているのはどんな人ですか?
ガバナンスー社会の中でみえてくるスポーツの見えない力
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみようなぜスポーツは社会にとって必要不可欠なものなのか?
スポーツから学ぶ「社会」という言葉から、何を思い浮かべますか? 社会とは、個人が集まった集合体です。個人はそれぞれの志向を持つため、何かひとつを指して社会とはいえません。すなわち社会とは、国家、民族、人種、宗教、市場や家族までをも含んだ多様な「かたまり」のことを指すのです。 「スポーツ社会学」では、この社会の中でスポーツがどのような位置づけであるか、スポーツが社会にどのような影響を及ぼしているか、という両視点による研究を進め、得た知見を社会に生かす研究を行います。スポーツはいつだって「奇跡」を起こしている人類が誕生して以来、常にどこかで「紛争」が起きています。私たちは同じ過ちを繰り返しています。しかし、フットボール(=サッカー)の試合ではどうでしょうか? 勝敗を巡ってフィールド内外で「紛争」が発生することは、ほぼありません。むしろ試合後は勝敗を抜きにして、お互いをたたえ合います。国際試合では、ホームチーム側の国家が、アウェイチームの安全を確保します。これだけ「紛争」が起きているのにもかかわらず、国家、人種、民族、宗教、市場を超えて、この「奇跡」がかなうのは、スポーツ(フットボール)にルールがあるから、という理由だけでは説明がつきません。スポーツの安定した秩序を探求することで、社会に安定した秩序、すなわち「奇跡」を起こすことが可能になるかもしれません。「学び、伝え、育てる」サイクルをアスリートでなくても、スポーツから学べることは重要なことです。国家、人種、民族、宗教、市場を超える、スポーツという特殊な存在だからです。 しかし、日本では、スポーツの社会的、文化的背景を学んだ人材の活用が不十分です。このことは、アスリートの引退後の「セカンドキャリア問題」に関わる教育の遅れとしても表れています。今後、スポーツから得た知見を、仕事や人生に生かせる体制づくり、また、そこから羽ばたく人材の育成に「社会」から大いなる期待が寄せられています。先生からのメッセージ
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