岐阜大学 工学部社会基盤工学科 環境コース 教授 髙木 朗義 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!アプリ減災教室による災害死者ゼロへの挑戦
防災施設整備のみで災害を無くすのは不可能であり、最近も人の行動で対応するしかないことが続いています。本質的な課題は「わかっているのに、できていない」です。多数の防災研究成果を社会で活用するために開発したWebシステムとその効果を紹介します。
平成における自然災害の事実
ハード対策の限界とは
LINE既読機能の原点とは
アプリ減災教室による災害死者ゼロへの挑戦
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう自然災害の多い日本に必要なのは防災・減災を支える「人間力」
LINEの「既読」は大震災で生まれた友だちや家族と手軽に連絡をとれるLINEの特徴の一つは、相手が自分のメッセージに目を通したことを知らせる「既読」のシステムです。このサービスは、実は2011年の東日本大震災をきっかけに誕生しました。震災時には大切な人と連絡が取れず、不安になった人が大勢いました。そこで直接連絡が取れなくても、相手がメッセージを読んだこと、つまり無事であることが確認できるこの機能が考案されたのです。自然災害の多い日本では、このような災害への備えは大きな課題です。施設の整備だけでは防げない災害災害に備えるには、まずは建物の耐震化を進め、海や川に堤防をつくるなどの施設整備が重要です。しかし、設備は100年に1度起こる災害には対応できますが、東日本大震災のようなそれを上回る大災害には対応できません。なぜなら、それには莫大な費用がかかり、日常の社会生活を維持できなくなってしまうからです。そこで施設整備だけでなく、人間が自らを守り、互いに支え合う取り組みが大切になります。つまり、自分の身を自分で守る「自助」、地域の中で助け合う「互助」、その周りを支える行政による「公助」の3つが必要です。アプリ・キャンプ・SNSで防災・減災を!自分で自分の身を守る自助が第一ですが、知識があっても実際の行動に移す人はまだまだ多くありません。それに対し例えば、いかに「災害に備えることができていないか」を確認するためのアプリ「減災教室」が開発され、改善行動につなげようとする取り組みが行われています。また、楽しい防災訓練として、家の庭やリビングにテントを張り、電気や上下水道を使わない生活を体験しておく「防災キャンプ」の実施を推奨する動きもあります。 そして、いざという時に助け合うコミュニティづくりも大切ですが、それは地域的つながりに限らず、共通の趣味でつながったSNS上のコミュニティでも可能です。防災・減災を進めるには、施設整備と人間の力の両面が必要なのです。先生からのメッセージ
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