北九州市立大学 法学部法律学科 教授 中村 英樹 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!生命の自己決定権?! 生命は誰のもの?
「自分のことを自分で決める権利」といわれる自己決定権。では自分の生命は「自分のこと(自分のもの)」だから、それをどのように扱うかは自分で決めてよいのでしょうか? 自己決定権を通して、個人と社会の関係について考えてみましょう。
自己決定に委ねられるものは誰が決める?
自殺に関する法律
生命の自己決定権?! 生命は誰のもの?
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう憲法の解釈によって、国民の生き方・暮らし方まで変わる!
表現や言論の自由は、どこまで「自由」なのか?表現や言論の自由は憲法によって保障されていますが、どんな意見をどのように表現しても許されるのでしょうか? 憲法は、国の営みの基本となる最高法規です。さまざまな価値観を持つ国民の人権を、平等に守らなければならないので、「ここまでならOK」といった具体的な内容には触れていない条文がたくさんあります。表現や言論の自由を認める憲法第21条は、その典型と言えます。大まかな方向性だけが示されている憲法の、解釈の仕方や問題解決の方法について研究するのが、「憲法学」という学問分野です。憲法が明示していない部分を「法律」が補う特定の国籍の人などに対し、攻撃的・侮辱的な言葉を投げかける「ヘイトスピーチ」が社会問題化しています。そこで国は2016年5月、不当な差別的言動の解消をめざす法律を制定しました。しかし、スピーチの禁止や罰則など、強制力のあるルールまでは作れませんでした。憲法第21条に抵触する可能性があるからです。憲法で具体的に示されていない事柄について、細かい個別ルールを設けるのが、「法律」や地方自治体の「条例」の役割ですが、それを定めるためにも憲法学の知見が必要になるのです。憲法の解釈で、国民の生き方も変わる自分自身の生き方や暮らし方を自由に決める「自己決定権」も、憲法第13条によって守られています。では、高齢化や医療技術が進んだことで話題に上る機会が増えてきた、「安楽死」「尊厳死」についてはどうでしょう。身体が思うように動かなくなり、慢性的な疾患に苦しんでいる人が、「これ以上苦しまずに最期を迎えたい」と思う気持ちは、悲しいけれど偽らざる本心であることも多いでしょう。 医師に対して安楽死を求めることも、自己決定権の行使と言えるでしょうか? 自ら死を選ぶという行為は、果たして憲法によって保障されるべきなのでしょうか? このように、憲法の解釈によって、私たちの生き方・暮らし方が変わってくることもあるのです。先生からのメッセージ
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