名古屋大学 工学部機械・航空宇宙工学科 教授 秦 誠一 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!第4次産業革命を支えるマイクロ・ナノ機械
現代は、技術が社会内や人体内部に組み込まれる第4次産業革命のただ中と言われています。そこでは、機械を使っているということすら気づかないような微小な機械が必要とされています。講義ライブでは、微小機械の材料や加工法、設計法についてお話しします。
微小な技術の世界
マイクロマシンを作製する難しさ
新しい材料を作りたい!
第4次産業革命を支えるマイクロ・ナノ機械
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみようマイクロ・ナノ機械によって、世界はどう変わるのか?
目に見えないほど小さい機械って何?1970年代の初頭から始まった、オートメーション化による第3次産業革命に続き、現代は技術が社会や人体の内部に組み込まれる第4次産業革命の真っ只中と言われています。そこでは使っていることすら気づかないほど微小な機械「マイクロ・ナノ機械」が活躍します。 マイクロ(メートル)とは1mmの1000分の1の長さの単位で、ナノ(メートル)は、さらにその1000分の1の長さを示す単位です。現在では、マイクロは加工精度などで使われることが多く、ナノはLSI(大規模集積回路)で、回路の線幅でよく用いられている長さの単位です。原子の大きさはおおよそ0.1ナノです。すでにマイクロ・ナノ機械は使われている例えば、あなたが普段使っているスマートフォンには、モーションセンサが組み込まれています。スマホ本体を縦や横にすると画面もそれに合わせてくれる技術にマイクロ・ナノ機械の技術が使われています。1日の歩数や心拍数、睡眠時間を測る活動計、GPSと連動するジャイロなども同様です。機械といっても、あまりに小さいため、材料を加工して部品を組み立ててといった従来の方法での加工は困難で、あらかじめ一体となるように作っているのです。そして魔法のような世界がやってくる!現在、この分野で最も普及しているのはMEMS(微小電気機械システム)です。これは材料にシリコンを使い、半導体加工技術で回路と共に機械を作ろうという発想です。ただシリコンで作ることにも限界があり、アモルファス合金という、特殊な金属を応用できないかというアプローチも始まっています。 マイクロ・ナノ機械の時代は、すでに始まっています。空間に情報を投影しているかのように目に表示したり、腕や指を動かすだけで家電製品が操作できたりするなど、漫画や映画の世界だと思っていたことも、まもなく現実になろうとしているのです。先生からのメッセージ
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