奈良女子大学 工学部 工学科 教授 久保 博子 先生

30分のミニ講義を聴講しよう!
「生活の中の暑さ寒さを測る」工学的人間環境デザイン
住まいの中で暑い時、寒い時は何度ぐらいで過ごしているのでしょうか。夏の暑さや冬の寒さをうまく調節して、健康で快適で、しかも持続可能性と省エネルギーを考えて過ごしたいと思いませんか?
先生からのメッセージ
身の回りのことに目を向けると、生活を豊かにするために、また誰かのために、あなたが変えられることがたくさんあることに、きっと気づくはずです。生活環境の中には「測る」ものがたくさんあります。その結果と、世の中に存在するさまざまな基準とを、ユーザー目線や批判的精神を持って比較しながら、健康かつ快適に暮らせる社会を探究していきましょう。
工学部では、自分たちの生活をバージョンアップする、さまざまなテクノロジーを学びます。そこから考え、社会に発信する力を、一緒に身につけましょう。
先生がめざすSDGs
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よい眠りを導くエアコンの研究~睡眠と健康・快適を測る~
エアコンとのつきあいは人それぞれ
あなたは、夏の夜、エアコンをつけっ放しで眠りますか? 冷えるので使わない人もいますし、ずっとつけるという人、タイマーを使う人など、エアコンの使い方は、年齢や性差によっても随分違います。では、よく眠ることができる睡眠用エアコンとは、どのようなものなのでしょう。健康で快適な生活環境を創造するための研究をする住環境工学や人間工学では、人が一番よく眠ることができるための基礎データをエアコンメーカーなどに提供しています。
人工気候室でデータ収集・解析
メーカーは、性能や機械の専門家ですが、「健康のためには何度くらいの、どのくらいの風がよいか」という温熱環境に関する基礎的なデータ解析は、住環境工学が得意とする部分です。
例えば、冷やしすぎや省エネのことを考えてタイマーを使っても、タイマーが切れるたびに目が覚め、眠れないとよく言われます。眠りによい制御方式を導き出すため、温度・湿度・照度などの環境条件を緻密に制御できる人工気候室で実験が行われます。エアコンを切ったら何度温度が上がるかを測り、その環境下での睡眠実験をし、よく眠ることができないことをまず確認し、その上でどんな温度や風の制御をすればよく眠ることができるかを導き出します。これは、自分では制御できない睡眠時の安全や快適を支える技術にもつながります。
「ちょうどよさ」も数値化できる
省エネのことも考えると、無駄に使わず「ちょうどよく」制御することが重要です。それを数値化して、自動制御させようというのが、今のエアコン開発の共通するテーマです。これくらいの温度で、こういう服装で、このくらいの動きをする人の「ちょうどよさ」はこれまでの研究により数値でわかっているので、そこに合わせるという方向です。
将来はSFの世界のように、あなたの周りだけは、あなた好みの温度になる、そんな室内環境を実現できる未来もやってくるかもしれません。
先生からのメッセージ
身の回りのことに目を向けると、生活を豊かにするために、また誰かのために、あなたが変えられることがたくさんあることに、きっと気づくはずです。生活環境の中には「測る」ものがたくさんあります。その結果と、世の中に存在するさまざまな基準とを、ユーザー目線や批判的精神を持って比較しながら、健康かつ快適に暮らせる社会を探究していきましょう。
工学部では、自分たちの生活をバージョンアップする、さまざまなテクノロジーを学びます。そこから考え、社会に発信する力を、一緒に身につけましょう。
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