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最期まで自分らしく生きる、を支える看護
死は誰にでも訪れるものです。看護師にとって、その方の人生の最期を支えることはとても大切な役割です。そのとき患者さんや家族は何を望み、看護師はどんな看護を行っているのでしょう。日本の現状も踏まえ、さまざまな現場で看護が果たす役割を説明します。
先生からのメッセージ
人との関わりのなかで仕事をしたいと思っている人であれば、看護師はきっとやりがいを持てる仕事だと思います。
しかし、「看護師に興味はあるけれど、自分は会話が上手でないから向いていない」と決めつけてしまわないでください。コミュニケーションはむしろ聴くことが大切で、黙ってそばにいることが患者さんを落ち着かせるよい看護になる場合も多くあります。人に対する関心さえもっていれば、自分の個性を生かして活躍できる場が看護には必ずあります。
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本人の意思を尊重し、人生の最期をささえる~エンドオブライフケア~
看護は治療のサポートだけじゃない
看護に対してどのようなイメージを持っていますか? 病気を治療中の患者さんのお世話、というイメージが強いのではないでしょうか。もちろん、病気を治すために行う看護は大切です。しかし、看護にはこれ以外にもたくさんの役割があります。
例えば、人が人生を終える時を支えていく「エンドオブライフケア」も大事な役割です。死期が近づいている人にとって、治療するだけが残りの人生ではありません。いつか亡くなってしまうとしても、その日1日を快適に、自分らしく過ごすということは、その人にとってとても大事なことです。そのために看護に何ができるか、ケアのあり方を考えるのも看護の仕事なのです。
何よりも大事な「本人の意思」
理想のエンドオブライフケアの形は、人によってさまざまです。エンドオブライフケアにおいては、その人が望むことを尊重するという徹底した姿勢が最も大切です。病気に対する治療を続けることより、本人の希望を優先することもあります。しかし医療者が本人の望むようにしたいと思っていても、本人に直接聞くのがためらわれたり、病気の進行によって聞き出せなくなってしまったりということがあります。そうならないために、予め準備していくという発想が必要です。人生の終末期を迎えた際、どうしてほしいのか普段から家族で話しあうよう、周知させていく必要があるでしょう。とはいえ、人の気持ちは日々変わっていくので、実際のケアのなかで本人の意思をくみとっていくことも欠かせません。
サポートする人々とのコミュニケーション
また、医師をはじめとした医療や介護に関わるさまざまな職種との連携や、家族とのコミュニケーションが重要です。ケアを受ける場所は、病院とは限りません。介護施設であれば、介護職のほうがより多くの情報を持っていることもあります。また、エンドオブライフケアは患者さんを看取る家族にとっても大切なものです。家族に後悔を残さないことも、役割のひとつといえます。
先生からのメッセージ
人との関わりのなかで仕事をしたいと思っている人であれば、看護師はきっとやりがいを持てる仕事だと思います。
しかし、「看護師に興味はあるけれど、自分は会話が上手でないから向いていない」と決めつけてしまわないでください。コミュニケーションはむしろ聴くことが大切で、黙ってそばにいることが患者さんを落ち着かせるよい看護になる場合も多くあります。人に対する関心さえもっていれば、自分の個性を生かして活躍できる場が看護には必ずあります。
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千葉大学
看護学部
准教授 池崎 澄江 先生