鶴見大学 歯学部 歯学科 准教授 勝村 聖子 先生

30分のミニ講義を聴講しよう!
死者と向き合う歯科医たち~治療を超えて~
皆さんは、ご遺体と向き合い仕事をする歯科医師がいることをご存知ですか。事件や事故、災害などで命を失った人をご家族の元に返すために活躍する歯科医師についてお話しします。医療を提供し、笑顔のお手伝いをする以外の、歯科医師の新しい発見です。
先生からのメッセージ
疑問や興味、関心を持ったら、それを追究してみてほしいです。歯学部をめざすのは親族が歯科医だからという人も多いですが、もしそうであっても、「どうして歯科医になろうと思ったのか」「自分の意志で歯学部を選んだか」を考えることが大切だと思います。ぜひしっかりと、歯学部で学ぶ意味を高校生のうちに見つけてほしいと思います。
「ドラマを見て法医学に興味を持った」というのもいいでしょう。何か目的や興味を持って大学に入ってきた人は、入学後にグンと伸びます。ぜひ、追求できる興味を探してみてください。
先生がめざすSDGs
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一日でも早く家族の元に帰してあげたい~歯科法医学の専門家とは~
犯罪ものの映画やドラマでおなじみの法医学とは
映画やドラマを見ていると、遺体を法医学者である医師が解剖しているシーンがよく出てきます。何が起こったのか、何が死因だったのかを突き止めるためにあらゆる観点から調べていきます。実は、歯科の世界にも「歯科法医学」という分野があり、同じように遺体に向き合い、身元や死因などを特定するために歯科医が活躍しています。
実際、東日本大震災のときには、歯科法医学の専門家をはじめ全国の歯科医師が協力して、遺体の身元特定に尽力しました。遺体の歯科所見を作成し、歯科クリニックに残っているカルテや口腔内のエックス線写真と照合していったのです。
虐待の可能性がある児童を発見することも
また、意外なところでは、虐待されているかもしれない児童の発見にも、歯科法医学は役立っています。まったく歯のケアや治療が行われておらず、口の中が汚れている、虫歯がたくさんある、歯が脱臼しているなどの所見がある際には、虐待の可能性もあります。そのため、学校や児童相談所などへの報告が必要とされているのです。大切な子どもたちの命を守るため、地域で活躍する歯科医とともに、歯科法医学の専門家が活動しています。
大災害に備え、カルテを一元管理へ
日本では、いつ大地震など大規模災害が起こるかわかりません。全国の歯科クリニックが保有している、カルテや口腔内エックス線写真をデータベース化して一元管理し、遺体の身元確認が迅速に行えるよう、インフラの整備も進められようとしています。また、個人識別のできる歯科医の育成も始まっています。
全国でも歯科法医学の専門家はまだまだ少ないのが現状です。歯科のあらゆる分野、保存・補綴(ほてつ)・口腔外科・歯周病などの知識がないとなれない歯科法医学の専門家は、今後ますます社会から求められていく人材だと言えるでしょう。
先生からのメッセージ
疑問や興味、関心を持ったら、それを追究してみてほしいです。歯学部をめざすのは親族が歯科医だからという人も多いですが、もしそうであっても、「どうして歯科医になろうと思ったのか」「自分の意志で歯学部を選んだか」を考えることが大切だと思います。ぜひしっかりと、歯学部で学ぶ意味を高校生のうちに見つけてほしいと思います。
「ドラマを見て法医学に興味を持った」というのもいいでしょう。何か目的や興味を持って大学に入ってきた人は、入学後にグンと伸びます。ぜひ、追求できる興味を探してみてください。
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