京都教育大学 教育学部体育学科 准教授 小山 宏之 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!走る指導を深める動作分析からのアプローチ
走ることは誰もができる運動です。だからこそ、よく聞く指導の声かけにも違和感を持たないかもしれません。そんな走る運動を、科学的にとらえてみませんか。速く走るとは? 何気なく履く靴の影響は? 普段とは異なる視点で走ることを掘り下げてみませんか。
ピッチの映像分析
腿上げのデータを分析
子供の疾走動作を分析
走る指導を深める動作分析からのアプローチ
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう「運動」を数値化して、客観的に見る!
動きを分析するスポーツバイオメカニクス「走る」ことは、子どもの頃から自然に行っている動作です。だからこそ、より速く走りたいと思ったときに、どのような動きが速く走れる動きなのか、意外とわかっていないものです。 運動する人の動きをビデオなどで撮影し、その映像をコンピュータ上で解析して数値化し、運動のメカニズムを明らかにする「スポーツバイオメカニクス」という学問があります。パフォーマンスの高い選手やそうでない選手など、さまざまな比較対象を作りながら人の動きについて考え、良い動きを考える「動きの分析」をすることで、運動指導のポイントがわかっていきます。「走る」を数値に置き換えてみるスポーツは運動が得意な人だけのものではありません。特に教師は、子どもに運動の楽しさや体を動かす喜びを感じてもらえる場を創造するのが重要な使命の一つです。 例えば陸上100m競技の世界トップ選手のパフォーマンスがどれほどのものか、数値に置き換えてみましょう。彼らは100mを40歩台で駆け抜けます。つまり、1歩あたりの歩幅は約2.0~2.5mものかなりの歩幅になります。そしてその歩幅で1秒間に約4~5歩も進んでいきます。このような数値化した運動を取り入れた授業を創造できるでしょうか。運動を数値化し、理解を深めることができると、子どもへの教え方が変わります。運動を客観的に見る意味動きを数値に置き換えることで、運動を感覚でとらえるだけでなく、運動を「見る」ことができるようになります。さらに、さまざまな運動の分析では、体育以外の物理の法則を利用して考えることができます。ニュートンの方程式で「F=ma」という運動方程式があります。これを走る分析に利用すると、Fは人が地面を押すことによる反力、mは体重、aは人の加速度と考えることができます。走る際の加速度を大きくするためにどうするか、一見、体育とは無関係のような物理学の分野の学びが、実は運動と深く結びついています。知識が増えると、運動に対する考え方や指導の幅が広がります。先生からのメッセージ
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