静岡産業大学 経営学部 教授 牧野 好洋 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!風が吹けば桶屋が儲かる ―経済波及効果のはなし―
子どもたちは複雑な車を簡単化したプラモデルを作り、電池を入れて遊びます。経済学も同じです。複雑な社会を簡単化した経済モデルを作り、それに統計を入れて分析します。自分でモデルを組み立て、目的に合わせて改造、様々な実験をできる点が魅力です。
なぜこの学問を究めたいと思ったのですか?
この学問にはどんな未来が待っていますか?
この学問を究めるのに向いているのはどんな人ですか?
風が吹けば桶屋が儲かる ―経済波及効果のはなし―
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみようスポーツイベント開催の経済効果を分析する「計量経済学」とは?
スポーツイベント開催による「経済波及効果」「オリンピック開催で○億円の経済効果」などという記事を目にしたことがあるでしょう。プロ野球チームが優勝した場合も、優勝セールや凱旋(がいせん)パレードなどがあり、大きな経済波及効果が生まれます。大きなスポーツイベントが開催される場合、さまざまな統計から経済波及効果が算出されますが、こうした分析をする学問が「計量経済学」です。2021年に開催された東京2020オリンピック・パラリンピックのように、イベントが各地で開催される場合は、それぞれの地域でどれくらいの経済波及効果があるかに注目が集まります。こんなときこそ「計量経済学」の出番なのです。さまざまな要因を想定して細かく分析経済波及効果はさまざまな要因を想定して計算されます。まず一人が飲食、宿泊、交通などでどれくらい支出するのかを求めます。観客がどこから来るかも重要なポイントです。近隣の客、遠方からの客、海外からの客によって経済活動が異なるからです。海外からのお客さんは宿泊もしますし、おみやげも多めに買うでしょう。こうしてどのような人がどこからどれくらい来るのかを想定し、経済波及効果を求めるモデルに当てはめることで結果を算出します。経済波及効果の研究が地域活性化につながる!経済波及効果は、ドミノ倒しのようなものです。多様な部品からできる自動車は、生産に電力や鉄などが必要です。発電には天然ガス、製鉄には鉄鉱石などの燃料や原料が必要です。このように何かを作ると、いろいろな産業に効果が波及していきます。スポーツイベントも同じです。選手や観客が食料を買う、おみやげを買う、宿泊するなどがドミノの起点になって、パタパタとさまざまな産業に効果をもたらします。ドミノの倒れ方は地域によってどのように違うのか、またドミノ効果の波及先はどのような規模の企業かなど、よりきめ細かな調査分析が現在、必要とされています。これらの研究はスポーツを通した地域活性化に大きく貢献するのです。先生からのメッセージ
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