静岡産業大学 スポーツ科学部 准教授 江間 諒一 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!筋肉のユニークな振る舞いと適応能力
身体運動の原動力は筋肉の力です。運動時に筋肉がどのように活動するのか、運動に対してどのような応答を示すのか、ということがだんだんわかってきました。筋肉のユニークな振る舞いと適応能力について説明し、皆さんの知的好奇心を刺激できれば幸いです。
筋肉の評価方法
環境に適応する筋肉
筋肉痛はいつ生じる?
筋肉のユニークな振る舞いと適応能力
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう筋肉のメカニズムがわかると、スポーツにも高齢者にも活用できる
筋肉について知ると効率的なトレーニングができるスポーツの能力を伸ばすには、私たちの体、特に筋肉について知っておくことが大切です。筋肉は身体運動を生み出す原動力です。短距離走や水泳といったスポーツごとに、必要な筋肉や有効な動かし方は異なります。また、筋肉はどのように活動するのか、運動に対してどんな反応を示すのか、どうしたら増やせるのかといった、筋肉そのものについて知っておくことも必要です。その知識をトレーニングに取り入れれば、効果的に能力を伸ばすことができるでしょう。医療機器を使って筋肉のメカニズムを解明こうした運動生理学は近年、より深く解明されつつあります。超音波機器や筋電図、MRI(磁気共鳴画像)といった医療でも使われる機器を使って、リアルタイムに運動中の筋肉の動きを測り、データ化し、分析した情報から解明していきます。また、筋肉は脳から伝達される信号によって動きますが、うまく使えていない筋肉もあります。その筋肉を使えるよう導けば、潜在的な運動能力を上げることもできます。 筋肉は運動に対して巧みに反応し、例えば「一度、筋肉痛になるとしばらく症状が出なくなる」といった適応能力があります。さらに、筋肉はアキレス腱(けん)などの腱とつながっており、連携して動きます。こうした働きも含めて筋肉のメカニズムを解明すれば、能力を上げるだけでなく、ケガ予防にも応用できるでしょう。高齢者の健康寿命を延ばすことにも貢献できる筋肉のつき方や、どれだけ増やせるかについては個人差があります。その要因がわかれば、一人ひとりの特性に合わせた効果的なトレーニングが可能になります。さらに、この研究は高齢者にも活用できます。転びやすい高齢者はどの筋力が弱っているのかを知り、その筋力を鍛える動きを解明すると、有効な予防策を提供でき、健康寿命を伸ばすことができます。 日本の運動生理学の研究は、世界的にみてもトップレベルです。さらに研究を発展させることで、スポーツはもちろん、高齢化する社会にも大きく貢献できるのです。先生からのメッセージ
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