立正大学 文学部史学科 教授 佐多 芳彦 先生
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30分のミニ講義を聴講しよう!平安時代の「色彩」
私たちのまわりには様々な色があふれており、私たちは色彩の豊かさを楽しんでいます。しかし、平安時代の人々はもっとたくさんの色・色彩を感じ楽しんでいました。今回は平安貴族社会の色・色彩、その感覚について、衣服をソースにご紹介します。
高校時代にこの学問を追求したいと感じた瞬間はありましたか?
この学問は社会・人をどの様に変えますか?
この学問に夢中だと感じる瞬間はどんな時ですか?
平安時代の「色彩」
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう武士の服装から見えてくる日本の歴史
武士をスタイリッシュにした平氏日本史には、朝廷や幕府の儀式や儀礼、服装などを研究する「有職故実(ゆうそくこじつ)」という分野があります。武士の「服装」に着目すると、面白いことがわかってきます。 大河ドラマに出てくる武士の身なりは立派ですが、実は鎌倉時代までの武士の服装は質素で、庶民の服装の発展に過ぎませんでした。なぜなら、当時の武士は地方の農民出身者が大半だったからです。服装を豪華にしたのは、平氏でした。武士でもあり、朝廷の血筋もひいていた平氏は、ほかの武士との差をつけようとスタイリッシュな格好をし、それが「直垂(ひたたれ)」として武士の間に普及していったのです。クールビズの元祖は戦国時代の武士?ところが、室町時代の1467年に応仁・文明の乱が起き、それ以降、長い戦国期に突入し、これを境に武士の服装が変化しました。きれいな服を着ていては、いざ戦が始まったときすぐに動けません。そこで、平氏以来の武士が着てきた直垂の袖を取っ払った、「裃(かみしも)」の先祖である「肩衣(かたぎぬ)」という服装が登場したのです。臨機応変を旨とする武士は馬に乗りやすく、武具を振り回しやすい肩衣を脱がなくなり、以来、江戸時代まで長く武士の服装として定着しました。 また、室町時代には、武士が家でくつろぐための服装として「羽織(はおり)」も生まれています。今でこそ羽織袴(はかま)といえば正装ですが、当時の羽織は目下の人と会うときや、街で遊ぶときに着ていた普段着だったのです。人の心理や境遇を反映する服装現代の服装は、近代以降に欧米の文化を取り入れてきた結果です。このように服装は、その時代の人の心や環境、境遇を反映しているものです。年表にある人物や出来事を覚えることが歴史の勉強ではありません。その時代の人々が何を考え、どのように生きていたのか、当時の人々の立場で考え、推測しながら探っていくのが「歴史学」という学問で、その探り方にもいろいろな方法があるのです。先生からのメッセージ
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