東北大学 文学部人文社会学科 教授 坂井 信之 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!脳は「におい」や「香り」にだまされる!
ジュースやゼリーなどを口に入れたときに感じる「味」。その本体は、実は味覚ではなくて、香りなんです。香りは味だけでなく、タオルの触り心地や他人に与える印象も変えます。講義ライブではこの現象について心理学や脳科学の観点から考えてみます。
人間の味覚の秘密
私たちの味覚は視覚にだまされてしまう
感情と体どちらが先?
脳は「におい」や「香り」にだまされる!
先生からのメッセージ
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人の印象を決める「におい」男子大学生がかいた汗とおじさんがかいた汗、「におい」がきついのはどちらだと思いますか? 男子大学生の汗の方がさわやかなイメージがありますが、女子高校生に目隠しをして、どちらのにおいがきついと感じるかを実験したところ、「おじさんの汗の方がまし!」という結果が出たのです。 年齢にかかわらず、においや香りは人の印象を決める大きな要素です。約800人に調査したところ、人を好きになるきっかけは、断然「見た目」が多いのですが、約9割の人が嫌いになるきっかけは「におい」と答えています。ですから、やはり汗をかいたら、できるだけ取り除いておいた方がいいかもしれません。甘いもの好きな女性はやさしい?女性が履歴書に趣味は「スイーツ巡り」とか「甘いものが好き」と書くと、「やさしそうな人だ」と見られる可能性があり、採用されやすくなるという調査結果があります。糖質というのは、生きるエネルギーであり、人は甘いものを食べると脳から脳内麻薬といわれる物質が分泌されます。それにより、注射をするときやけがをしたときに、甘いものを口の中に入れたり、バニラやカスタードのような甘い香りを嗅いだりすると、痛みに耐えやすくなると言われています。 つまり脳は、甘い香りの人をいい印象でとらえたり、甘い香りを嗅いだときと同じように反応してしまうわけです。ただ、香りと見た目のイメージが一致していることも大切なので、男性が甘い香りをつけるとマイナスイメージを持たれることもあります。脳科学や応用心理学は製品開発にも生かされている例えば、最近の柔軟剤にはさまざまな香りがありますが、まったく同じタオルでも、「おひさまの香り」だとより弾力があるように感じ、「せっけんの香り」だとより白いと感じる傾向があるのです。これは人間の脳が、においや香りにだまされやすいということを利用して、効果を演出しているのです。このように脳科学や応用心理学の研究は、製品開発にも生かされています。先生からのメッセージ
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