東京女子大学 現代教養学部心理・コミュニケーション学科 コミュニケーション専攻 教授 小田 浩一 先生
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30分のミニ講義を聴講しよう!「見る、聞く、触る」 デザインの心理学
デザインに人の感覚や知覚・認知などの心理学的なエビデンスを生かしていこうというのがデザインの心理学。この講義ライブでは実際に行われた心理学の実験を紹介しながら、人の「見る、聞く、触る」感覚を丁寧に調べて、デザインに生かす研究を紹介します。
文字のデザイン
触る文字の開発
かわいい音のデザイン
「見る、聞く、触る」 デザインの心理学
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう「見る」「聞く」「触る」 デザインの心理学
読みやすい文字の基準は何か?読みやすい文字とはどんな書体でしょうか。書体別にアンケート調査をしても、好みなどに左右され、正確な答えは出ません。実は「読みやすさ」とは人が意識できない感覚なのですが、心理学ではそのような無意識の領域で処理される感覚も扱います。読みやすさを正確に調べるには、対象の書体で長い文章を打ち出して読んでもらい、別の書体でも同様にして比べるというテストを繰り返すのが最も適しているとわかっています。読むスピード、そして間違いなく内容を読み取る正確度において「読みやすい書体」というのが明確に浮かび上がってくるのです。デザインはダイバーシティにつながるデザインはその情報の印象をも変えてしまうほどインパクトの大きいものです。看板に使うにはどこからでも読みやすい書体を使うのがいいでしょう。また商品名や説明書きの書体が読みやすいと商品を買う時に選んでもらいやすくなります。暗い場所、印刷が薄くなった状態など、悪い条件でも読みやすい書体をデザインすることは、視覚に障がいのある人、劣悪な環境で文字情報に接する人などにも優しい、ダイバーシティ(多様性)のあるデザインを考えることになります。「聞く」「触る」デザインデザインは視覚に限りません。「聞く」もののデザインも可能です。例えば駅などで流される合成音のアナウンスは、聞きやすさを追求してデザインされます。実際に聞いてもらい、音のトーンやスピード、母音や子音を詰めた場合の伝わり方、騒音の中での伝わり方などをシミュレーションします。研究が進み合成音の音質も上がっています。 また触覚は、視覚や聴覚に比べ、瞬時に情報を得ることが難しい感覚ですが、高齢化にともなって視覚・聴覚に障がいのある高齢者が増えている現在、開発が望まれる分野です。3Dプリンタなどの発達もあり、手で触って読みやすい書体のデザインも検討されています。ユニバーサルデザインは、高齢化する未来の社会を拓くものとなるでしょう。先生からのメッセージ
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