30分のミニ講義を聴講しよう! ロボティクス的視点でみた人や動物の歩き方

速く歩いたり走ったりするためには、足の振り幅を大きくする方法と、足を動かす回転数を上げる方法があります。一体、どちらがより良い方法なのでしょうか。このような運動に関する疑問について、ロボット工学や情報科学の手法を使った研究を紹介します。

先生からのメッセージ

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私は高校生の頃、生物学と物理学は全く別の学問に感じていました。でも、生物現象は紛れもなく物理現象の一つです。スポーツや音楽演奏を上手にする方法を考える場合も、身体という物体を動かすための物理学の問題としてとらえるといろいろなヒントが得られます。効率の良い練習方法を考えようとすると脳による学習の仕組みを考えることになりますから情報科学の知識が役立つこともあります。一見無関係そうな事柄が結びついたときに、素敵な発見が生まれます。一見役に立たないように感じられることにこそ楽しく取り組んでみてください。

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夢ナビ講義も読んでみよう 動物の歩き方から熟練の技まで~動作を効率化するメカニズム~

速度によって歩き方・走り方が変わる 速く歩いたり走ったりするには、足の回転数を上げる方法と、振り幅を大きくする方法があります。さて、どちらの方法が良いと思いますか? 面白いことに、ほとんどの動物は、主に足の回転数を上げることで移動速度を速くしていきます。さらに、4足動物の猫や馬、6足動物の昆虫などは、スピードによって歩き方・走り方を変えます。 消費エネルギーを自然と効率化 例えば猫の場合、ゆっくり歩くときは足を1本ずつ上げて前に出します。小走りのときは、左前足と右後ろ足、右前足と左後ろ足、というふうに対角線上の2本の足をほぼ同時に上げて前に出します。速く走るときは、前足2本と、後ろ足2本で交互に地面を蹴ります。速く走るときほど地面に着いている足の本数は少なくなる傾向にあります。なぜこのような足の動かし方を動物は選択しているのでしょうか?
コンピュータを使って多足歩行ロボットのシミュレーションを行い、いろいろな歩き方について消費エネルギーを計算してみると、上述のような歩き方はエネルギー消費を抑える上で非常に理にかなった方法であることがわかります。動物は疲れにくい動き方を自然に選んでいるのです。
リハビリやロボット開発につながる研究 もっとも、よく調べてみると、コンピュータで計算される一番疲れない歩き方と実際の歩き方は少しだけ異なっていることもわかります。例えば、坂道を下るときに一番疲れない方法は、身体を丸めて転がることでしょう。しかし、このような動き方をすると大怪我をしてしまうかもしれません。人や動物は無意識のうちにできるだけ疲れないような歩き方を選びつつも、転びにくい歩き方になるように少し力を使っているのです。このような発見は、脳がどのように身体を操って動いているかということの理解だけでなく、リハビリテーション医療の研究や、歩行ロボットの開発にも役立ちます。

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私は高校生の頃、生物学と物理学は全く別の学問に感じていました。でも、生物現象は紛れもなく物理現象の一つです。スポーツや音楽演奏を上手にする方法を考える場合も、身体という物体を動かすための物理学の問題としてとらえるといろいろなヒントが得られます。効率の良い練習方法を考えようとすると脳による学習の仕組みを考えることになりますから情報科学の知識が役立つこともあります。一見無関係そうな事柄が結びついたときに、素敵な発見が生まれます。一見役に立たないように感じられることにこそ楽しく取り組んでみてください。

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理学部 物理・情報科学科 教授
西井 淳 先生