30分のミニ講義を聴講しよう! ウシの反芻胃の微生物×廃棄物=新しい価値

ウシの反芻胃“ルーメン”には2千兆個もの微生物が棲んでいます。このルーメン液で古紙やトマトの葉や茎を溶かして、メタンガスと肥料を作ることに成功しました。自然の力を利用して廃棄物から新しい価値を作り出す研究についてお話しします。

先生からのメッセージ

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微生物は地球上のあらゆる場所で活動しています。そして、基本的に自分本位で、邪魔者を排除する武器を使って生き延びています。その武器をうまく利用すると、人に役立つ思いもよらぬ効果をもたらすことがあります。
例えば2015年、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智(さとし)氏の「寄生虫感染症に対する新規治療物質に関する発見」で、研究の基になったのはゴルフ場に隣接した場所の土から採取した微生物でした。あなたもぜひ、身の回りにいる未知の微生物の生態を解明し、人間の生活に役立ててください。

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夢ナビ講義も読んでみよう 牛の微生物で、農業のゴミの処理とエネルギー生産を同時に実現!

牛の第一胃中の微生物を利用 農業において意外に手間と費用がかかるのが、農作物を収穫した後に出る残渣(ざんさ)の処理です。例えば、トマトの収穫では毎日大量の葉が出ますし、ネギを出荷しようとすれば、むいた薄皮が山積みになります。こうした、いわゆる農業ゴミの処理に使えるのが「ルーメン液」です。「ルーメン」とは、胃袋を4つ持つ牛の第一胃のことで、この中には草や葉を分解してくれる微生物が棲息しています。このルーメン液に漬けておけば、ツルや葉などは数時間で溶けてしまいます。また、紙もやはり植物由来のものですから、オフィスから出る大量の紙ゴミも処理することができます。 ゴミ処理と同時にエネルギーを生産 ルーメン液で農業残渣を溶かした後にさらに発酵させるとメタンガスが出ます。これはエネルギー源になります。メタンは中国などの農村で食品残渣などから発生させて家庭の燃料として利用しています。例えば、50トンタンクでメタン発酵を行えば、17軒分の家庭使用量に相当するエネルギーを生産できます。さらに、溶かした液に含まれる窒素成分やリンは、肥料として利用することができます。実用化に向けての課題は、ルーメン液内における微生物のコントロールです。これらの微生物は酸素に弱いため、酸素の影響を少なくする必要があります。また、大量の液体を運ぶのは大変なことから、微生物の濃度と活性が高い状態のまま、いかに少量の液にするかがポイントとなります。 食肉処理場にもメリットが 牛の第一胃の容量は約200リットルあります。毎年100万頭の牛が食用にされていることを考えると、ルーメン液が不足することはまずありません。むしろ、ルーメン液の処理費用を削減できるメリットの方が大きいのです。有機物を多く含むルーメン液は、汚水として処理するとなると手強い部類に入り、食肉処理場では加工肉の冷凍と同じぐらいの電気代がかかっています。したがって、もしこのシステムが実用化でき、ルーメン液を再利用できれば、食肉処理場も大幅なコストダウンができるのです。

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微生物は地球上のあらゆる場所で活動しています。そして、基本的に自分本位で、邪魔者を排除する武器を使って生き延びています。その武器をうまく利用すると、人に役立つ思いもよらぬ効果をもたらすことがあります。
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食料産業学部 食料産業学科 教授
中井 裕 先生