30分のミニ講義を聴講しよう!「生まれと育ち」の生命科学

私たちの能力や運命は、生まれた時点で決まっているのでしょうか? どのように遺伝子は働き、どのように子孫に受け継がれていくのでしょう? ヒトの全遺伝情報が明らかになった今、最新の生命科学が解き明かす「新しい遺伝の仕組み」についてお話しします。

育ちに影響する「エピジェネティクス」
一卵性の双子について考えてみよう
育ちで変わる部分を研究する
「生まれと育ち」の生命科学
受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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「生命科学」は、飛躍的に発展し、分子レベルで、複雑な生命現象の仕組みを理解できるようになりました。表面的に観察するのではなく、その中はどうなっているのだろうと、一つひとつの謎を解いていくように研究することで、生物のすごさを実感できます。 サイエンスには真実があり、私たちはそれを生物から教えてもらっているのです。生命科学について興味を持って学ぶことで、論理的思考、問題設定と解決能力も身につきます。大学で一緒にサイエンスを楽しみましょう。

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なぜ一卵性の双子に違いがあるの?人間の37兆個の細胞の一つひとつにDNA(遺伝子、ゲノム)が入っています。DNAは生物の設計図と言われていて、人間一人ひとり固有の設計図を持っているので、身体や能力などにそれぞれ違いが表れます。では、1つの受精卵から生まれた一卵性の双子はどうでしょうか? 設計図が同じなので同じ人間になるはずですが、顔は似ていても性格・能力・かかる病気などに違いが出てきます。生まれた時から指紋や目の虹彩もすこし違いますし、育ち方や教育などの環境も大きく影響します。そこでDNA以外にも生物の働きを決める情報があるのではないかと考えられています。DNAの周辺はダイナミックに動いている!人間の1つの細胞のDNAは約2mの長さがあり、スパゲティがフォークで巻かれるように、たんぱく質のかたまりに巻かれた状態(クロマチン構造)でパッケージされています。でも、常に固定されているわけではありません。時には、DNAがほどけたり、巻き方が変わったりすることもありますし、いろいろな物質の目印がくっつくこともあります。 近年、それらが遺伝情報に影響を与えているのではないかということがわかってきました。例えば、くっついた目印は、特定の遺伝子に「働け」「働くな」という命令を出します。また、どの部分の情報を読みとり、どの部分を無視するかで、設計図の内容が変わってくるのです。遺伝情報の働きを制御する「エピジェネティクス」私たちの細胞はすべて同じ設計図を持っていますが、それぞれの細胞が目になったり、髪の毛になったりするのは、働く遺伝情報が違うからです。設計図であるDNAの塩基配列が変わらなくても、遺伝情報がコントロールされる現象を「エピジェネティクス」と言います。このエピジェネティクスの研究を進めることで、がん・老化・再生医療の分野などへの貢献や、生物の進化の謎の解明にまでつながるのではないかと期待されています。

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「生命科学」は、飛躍的に発展し、分子レベルで、複雑な生命現象の仕組みを理解できるようになりました。表面的に観察するのではなく、その中はどうなっているのだろうと、一つひとつの謎を解いていくように研究することで、生物のすごさを実感できます。 サイエンスには真実があり、私たちはそれを生物から教えてもらっているのです。生命科学について興味を持って学ぶことで、論理的思考、問題設定と解決能力も身につきます。大学で一緒にサイエンスを楽しみましょう。

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