30分のミニ講義を聴講しよう! 人工知能(AI)で人間の巧みの技を機械で

ロボットやエンジン・発電機の動作音から人間の巧みの技で故障の有無が判別されていますが、それを機械化したいニーズがあります。そこで、自動運転などに応用されるディープラーニングによる人工知能(AI)を使い実現させる研究をわかりやすく紹介します。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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もし、20年後の未来が今と変わらないのならワクワクしないでしょう。未来をつくることは、時に、人々に幸せや生きがいを与えます。私たちの今の生活は、先人たちが築いた科学技術の上に成り立っています。つまり、科学技術によって今や未来がつくられているのです。
科学技術を築くベースとなる教科は、理科と数学と英語です。理科はサイエンスそのもの、その基礎となるのが数学、そして、今後さらにグローバル化が進むため、英語は不可欠です。そうした知識を獲得するのが高校時代です。未来をイメージして、ぜひ楽しく学んでください。

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夢ナビ講義も読んでみよう 匠のワザは、AI(人工知能)で再現できるのか?

再現が難しい職人の熟練技 ディープラーニング(深層学習)という技術を知っていますか。自動車の自動運転に利用されているAI(人工知能)と聞くと、イメージしやすいでしょう。今、AIは熟練した職人の技術にまで到達しようとしています。
その一つが、製品の異常や不良品を音で聞き分ける職人技です。例えば、車のエンジン音でトラブルがある部分を聞き分けたり、缶詰をたたいて不良品を聞き分けるのです。これまで、熟練した職人の技を再現するのは難しいといわれていました。しかし今、こうした職人技をコンピュータによる測定で再現しようというニーズが高まっています。
AIの活用で再現が可能に コンピュータで測定するには、まず正常音と異常時に発する異常音のデータを入力します。光にさまざまな色があるのと同じように、音は周波数によって異なるスペクトルに分解できます。対象となる機械に、動作音の分析に基づく、正常音と異常音の特徴を入れたプログラムを用いて、さらに時間軸など細かなデータを入れることで、職人技と同じ能力を持たせることに成功しています。ただ、これで測定し判定できるのはデータを入力した特定の機械のみで、別の機械には使えません。
そこで、ディープラーニング技術を利用して、同じように正常音と異常音を入力した後はコンピュータに機械学習させます。新しい機械を導入するときに、その音をわずか数分間入力して学習させるだけで、対応できるようになるのです。
ワクワクする未来をつくる技術 コンピュータに知能を持たせるのは、研究者の長年の夢でした。50年以上前から研究され、数々の失敗を経て、ようやく花開こうとしています。注目されているディープラーニングも、万能ではありません。得意・不得意があり、特性を把握することが必要です。
測定の分野では、音のほかに、臭(にお)いや色、振動、形状など、異常を検出できる対象はたくさんあります。ディープラーニングの特性を生かして機械で測定・判定できるようにすることで、より安全で快適な未来をつくっていけるのです。

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もし、20年後の未来が今と変わらないのならワクワクしないでしょう。未来をつくることは、時に、人々に幸せや生きがいを与えます。私たちの今の生活は、先人たちが築いた科学技術の上に成り立っています。つまり、科学技術によって今や未来がつくられているのです。
科学技術を築くベースとなる教科は、理科と数学と英語です。理科はサイエンスそのもの、その基礎となるのが数学、そして、今後さらにグローバル化が進むため、英語は不可欠です。そうした知識を獲得するのが高校時代です。未来をイメージして、ぜひ楽しく学んでください。

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静岡大学
工学部 電気電子工学科
教授 犬塚 博 先生