玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 教授 大豆生田 啓友 先生

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園は子どものドラマであふれている
園は子どものドラマであふれています。プロの保育者はそれが見えているから、子どもの思いに共感することができ、子どもから信頼されるのです。そして、保育の仕事がいかに重要で、ステキなものであるかを知っているのです。皆さんと一緒に学びます。
先生からのメッセージ
「学び」は「勉強」と同義ではありません。面白いから知りたいと思うことが「学び」であり、何かに強いられるものではないからです。特に子どもの育て方や教え方を学ぶ一番よい方法は、机の前での勉強ではなく、子どもと同じように遊んでみることです。例えば泥だんご作りにしても、同じ苦労を味わえば大事に作った泥だんごが壊れたときの悲しみもわかるようになります。
子どもの毎日はドラマチックな出来事の連続です。それに関わる仕事も面白く、毎日が新しい学びの連続だと言えるでしょう。
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人生にとって大事な学びは、幼児期の「遊び」の中にある
赤ちゃんは有能な存在
赤ちゃんは早い段階から親の表情を観察し、親の機嫌が悪いと気遣いをします。またアニメを見ていると自然に正義の味方を応援するなど、善悪の判断もできています。赤ちゃんは大人の想像以上に有能な存在なのです。赤ちゃんや子どもにとって特に大事な学びの場となるのが「遊び」です。ほかの子どもと友だちになりたいとき、どうやって距離を縮めるのか、泥だんごを上手に作るにはどうしたらいいのか、彼らの日々は試行錯誤の連続です。「子どもは遊ぶのが仕事」といいますが、遊びの中から大事なことをたくさん学んでいるのです。
子どもの興味を伸ばす保育と教育
子どもが夢中になる遊びの中には、学びを深め得るテーマがあります。それをくみ取り、発展させる手伝いをするのが保育士や幼稚園の先生の仕事です。例えば散歩に行ったとき、子どもが草花を取って来たとします。科学絵本を読み聞かせたところ、草花から香水が作れると書いてあったため、子どもたちも作ってみます。そしてより上手に作るにはどうしたらいいか、今度は化粧品を扱うお店に聞きに行くといった具合です。内容としては小学校の総合学習に近く、こうした遊びから自立心や協調性、他人を思いやる心といった「非認知能力」を育むことができます。
日本の外遊び文化が秘める可能性
ノーベル賞を受賞した経済学者が「非認知能力と人生の幸福度は相関関係にある」と提唱したことで、多くの国が幼児教育に力を入れるようになりました。日本は遅ればせながら取り組んでいる段階ですが、大正から昭和初期に「子どもの心持ちを大事にした教育を行うべきだ」と提唱した教育者がいるなど、古くから非認知能力に着目してきた土壌はあります。
また四季折々さまざまな場所を散歩し、ダイナミックな砂遊びや泥遊びをするなど、ほかに例を見ない外遊び文化を持っています。外遊びがもたらす脳への影響に関しては理系の研究者も興味を持っているところであり、日本発の幼児教育法として確立できる可能性を秘めています。
先生からのメッセージ
「学び」は「勉強」と同義ではありません。面白いから知りたいと思うことが「学び」であり、何かに強いられるものではないからです。特に子どもの育て方や教え方を学ぶ一番よい方法は、机の前での勉強ではなく、子どもと同じように遊んでみることです。例えば泥だんご作りにしても、同じ苦労を味わえば大事に作った泥だんごが壊れたときの悲しみもわかるようになります。
子どもの毎日はドラマチックな出来事の連続です。それに関わる仕事も面白く、毎日が新しい学びの連続だと言えるでしょう。
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