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30分のミニ講義を聴講しよう! 自動的にナノ部品・ナノ建築物を作る!

生物を含め、あらゆる物質は分子でできています。生物の体は誰かが組み立てているわけではなく「自動的にできてしまう」のです。講義ライブでは、自動的にできてしまう自己組織化を利用して、ナノメートルサイズの部品や建築物を組み立てる技術を紹介します。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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最近、「ナノテクノロジー」という言葉が浸透してきて、ナノサイズのものを医療や化粧品、食品、半導体デバイスなどに利用しようという研究が盛んに行われています。
私はナノサイズの構造体を自動的に作るという研究をしています。「自動的に作る」というのは、勝手に分子が並んでいって、新しい構造体を作ってくれるという夢のような話ですが、一部の化粧品、医療材料などでは実用化されていて、決して夢ではない技術なのです。さまざまな分野で活用できるこの技術で、一緒に未来を切りひらいていきましょう。

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分子が意志を持っているかのようにものを作る? 『鉄腕アトム』の中に「ロボット宇宙艇」という宇宙船が出てきます。この宇宙船は部品それぞれがロボットであり、意志を持っています。そのため、誰かが作るのではなく、部品同士が協力して自動的に宇宙船を作ってしまいます。
こんな夢のような話が、まだ研究段階ですが化学の世界では現実のものになろうとしています。物質を構成する分子が勝手に集まったり離れたりして、材料や製品を自動的に作ることが可能になってきているのです。一部の化粧品や医療材料などでは、すでに実用化されています。
分子の設計だけで、すべてができる これは、分子同士の結合を制御するナノテクノロジーで実現できます。例えば、タンパク質やペプチドを形成するアミノ酸には水になじむ性質と油になじむ性質の両方があります。なじむもの同士はくっつき、なじまないものは反発します。分子の形を工夫すれば、この性質を生かして分子同士を結合させて紐(ひも)状や板(いた)状にしたり、さらにそれらを束ねてわらじやレンガ構造にしたりすることもできます。
さらに、この方法の面白いところは、最終的な形を予想して分子を設計するだけでいいという点です。つまり、製造途中のプロセスは、まるで料理を作るようにその材料を水に溶かすだけです。実際、粉末状になった分子を水に溶かすだけで、自動的に想定された形ができてしまうのです。
さまざまな産業分野での応用が可能な優れた技術 これをさらに発展させれば、基本となるアミノ酸分子の間に金属分子を結合させて、電気や磁気、光といった金属的な性質を持たせることもできます。そうなれば、曲がるディスプレイや超小型メモリなど電子部品にも使えます。
アミノ酸という生体にある物質を使うので、医薬品にも応用できます。アイデア次第で、さまざまな産業に使える優れた技術です。基礎研究としてのこれからの課題は、このような材料を多くの電化製品や化粧品、医用品などの商品に組み込む方法を確立することです。

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最近、「ナノテクノロジー」という言葉が浸透してきて、ナノサイズのものを医療や化粧品、食品、半導体デバイスなどに利用しようという研究が盛んに行われています。
私はナノサイズの構造体を自動的に作るという研究をしています。「自動的に作る」というのは、勝手に分子が並んでいって、新しい構造体を作ってくれるという夢のような話ですが、一部の化粧品、医療材料などでは実用化されていて、決して夢ではない技術なのです。さまざまな分野で活用できるこの技術で、一緒に未来を切りひらいていきましょう。

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崇城大学
工学部 ナノサイエンス学科
教授 黒岩 敬太 先生