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異分野との連携による創薬応用
創薬とは新しい作用を持つ薬を作ることですが、それを実際にヒトへ応用するためには、医学、薬学の知識だけではなく、工学などの異分野との連携が重要です。創薬をどのようにしてヒトへの応用に結びつけるのか、その戦略と具体例について紹介します。
先生からのメッセージ
私は実験が好きで、未知のものを発見することに魅力を感じ、新しい薬の開発をめざしています。薬の開発には、目的を明確にする必要があります。つまり、病気の原因を解析し、その原因を取り除く薬を発見することです。また、医学の道を志すあなたには、自分にあったポジションは何か、どうしたら社会に貢献できるかということを考えてほしいと思っています。最近は、チーム医療が特に重要になっています。患者さんを治すということを共通の目標に、医師、看護師、薬剤師、薬の開発者など、それぞれの立場で力を尽くしています。
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薬の開発を通して、人々の健康を守る
身体のバランスの乱れが病気の原因
人間の身体は、体内のバランスを保つことによって、健康な状態を維持しています。例えば血圧や体温では、それを上げようとする因子と下げようとする因子が、うまくバランスを保っているのです。しかし、そのバランスがなんらかの理由で崩れることもあります。どちらかの因子の割合が高くなる場合、あるいは低くなる場合です。どちらの場合もバランスが崩れ、病気になります。
内科でも外科でも薬は大切
医学で病気の人を助けるには、薬による治療を中心とした内科的手法と手術を中心とした外科的手法があります。しかし、外科的手法でも薬は無縁ではありません。手術を行うには、痛みを和らげる鎮痛薬や麻酔薬が必要です。また、手術がうまくいっても、手術のあとに炎症や合併症が起こることで、臓器がうまく機能しない場合もあります。さらに、手術は成功したのに、数カ月経ったら元の状態に戻ってしまったということも、現実問題としてあるのです。外科手術を成功させるのにも、薬をうまく用いることが大切なのです。
薬を開発する楽しみ
薬は何十万、何百万種類と開発され、その中から安全性と効果を確認された一握りのものだけが、人間に投与されています。これまでにたくさんの薬が作られてきましたが、満足度の高い薬はそれほど多くありません。同じ病気でも患者さんによって、病に至った経緯と病状が違います。そのため、薬も全員に効くわけではなく、何割かの人には効かないということが起こります。また、副作用の問題も軽視できません。大切なのは、病気がなぜ起こっているのかを解析し、患者さんと医師のニーズにマッチした薬を開発することです。医師は目の前の患者さんを救うことが急務です。一方、薬の開発者は患者さんと直接会うことは少ないかもしれませんが、薬を通して何十万、何百万の人を救うことができます。薬の開発とは、病気の原因の謎解きと実際に治療することによる証明であり、その成果は人類に貢献できる、希望に満ちた分野と言えるでしょう。
先生からのメッセージ
私は実験が好きで、未知のものを発見することに魅力を感じ、新しい薬の開発をめざしています。薬の開発には、目的を明確にする必要があります。つまり、病気の原因を解析し、その原因を取り除く薬を発見することです。また、医学の道を志すあなたには、自分にあったポジションは何か、どうしたら社会に貢献できるかということを考えてほしいと思っています。最近は、チーム医療が特に重要になっています。患者さんを治すということを共通の目標に、医師、看護師、薬剤師、薬の開発者など、それぞれの立場で力を尽くしています。
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大阪医科薬科大学
医学部
教授 髙井 真司 先生