30分のミニ講義を聴講しよう! 世界を救う安全な水のリサイクル

世界では、降水量と水需要の不均衡、水の使用と廃水処理の不均衡から、必要な水が量的に不足したり、汚れて水が利用できない地域が増えています。水資源、環境、エネルギーの視点から、世界中で必要とされる、使った水の安全なリサイクルを紹介します。

先生からのメッセージ

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水環境問題を研究し、それを社会に役立てるためには、その地域が求めているニーズをしっかりと理解する必要があります。工学の専門家であっても、研究室にこもらずに現場に赴き、話を聞きながら地域を理解し、その土地に合わせた科学的・工学的なテクニックを考えることが重要です。
また、時には社会的な背景を踏まえた説得を行うことも求められます。数学や物理、化学、生物、地学、社会学、言語といった幅広い学問を学ぶほか、あちこちの現場に出かけて研究を進める旺盛なやる気も育んでください。

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夢ナビ講義も読んでみよう 世界的な水不足の解決に貢献する「水循環利用」とは?

水道で使う90%は運搬エネルギー 日本の水道ではエネルギーの約90%が水の運搬に使われていることを知っていますか。大量の水が消費される都市部には、莫大なコストとエネルギーを使って、安定水源(湖やダムなど)から水が長距離輸送され、浄水された後に供給されています。
例えば、琵琶湖から始まる淀川の水は、西は遠く神戸まで送られています。降水量が少ない南カリフォルニアは約1,200km離れた北部から水を運んでいます。使える水が世界中で不足する中、下水を処理して捨てるのではなく、安全に使う知恵が必要となっています。
注目が集まる循環型の水利用 「一過型」の水利用は、コストやエネルギーがかかるだけでなく、河川の水を減らしたり、都市部で排水が集中したり、下水処理しきれない化学物質や病原微生物が残ることで、人や生き物に影響が及ぶことが懸念されています。その解決策として、環境工学や水資源工学といった学問分野で研究・提唱されているのが「水の循環利用」です。
一度使われた排水を捨てず、処理を加えてトイレや農業、工業用水といった用途に合わせた水質で再利用する「カスケード型」と呼ばれるシステムです。使われた水を再び使うので、遠くから多量の水を輸送する必要がなく、水環境へ出す排水の負担も減らすことができることから注目を集めています。
糸満市の取り組み 水の再利用は、慢性的な渇水に悩む沖縄県糸満(いとまん)市で全国に先駆けて進められています。国や大学と連携し、海に捨てられている下水処理水を再生水プラントで処理し、農地に供給する試みに成功しました。再生水はUF膜ろ過や紫外線消毒などを経て汚れやウイルスが除去されます。また、農業に必要な窒素やリン、カリウムなどの栄養素が含まれているという利点もあります。美しい海を守りつつ、おいしい野菜の地産地消が促進され、果実や花、ブランド野菜など、付加価値が高い農産物も生産できるようになるなど、地域経済活性化への効果も実証され、全国的、世界的な実用化が急がれています。

先生からのメッセージ

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水環境問題を研究し、それを社会に役立てるためには、その地域が求めているニーズをしっかりと理解する必要があります。工学の専門家であっても、研究室にこもらずに現場に赴き、話を聞きながら地域を理解し、その土地に合わせた科学的・工学的なテクニックを考えることが重要です。
また、時には社会的な背景を踏まえた説得を行うことも求められます。数学や物理、化学、生物、地学、社会学、言語といった幅広い学問を学ぶほか、あちこちの現場に出かけて研究を進める旺盛なやる気も育んでください。

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工学部 地球工学科 教授
田中 宏明 先生