30分のミニ講義を聴講しよう! あなたはなぜ学ぶのか~教育哲学から考える
「何を、どのように、何のために学ぶのか」アクティブ・ラーニングにおいては、この問いを学生自身が主体的に考えねばなりません。その際、どのような価値観に基づいて考えれば良いのでしょうか。「教育哲学」の力を借りて、この問いに挑みます。
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう 教育哲学の力を借りて、自分の進むべき道を見つける

教育哲学者ビースタは、教育の基準を考える枠組みを「資格化」「社会化」「主体化」の3つに分類しています。資格化とは、将来一人前になるためのスキルや知識を指します。社会化とは、社会が要求する秩序や習慣などです。ステイタスを得るための振る舞いや一般的な社会的マナーもここに入ります。主体化は自分らしさにつながるものです。個人の興味・関心はこの項目に該当します。 価値判断、規範意識に必要な哲学的思考 趣味であれば、「主体化」、つまり自分らしさが発揮されれば十分です。しかし、仕事となるとそうはいかず、何かの役に立たなければ意味がありません。そうは言っても、「資格化」や「社会化」ばかりを重視すると自分らしさを失ってしまいます。そこで、3つのバランスをどう取るのか、どこに自分の価値を求めるかが重要になってきます。
実証的な学問は、自分や社会についてさまざまな知見を提供してくれます。しかし、何に価値があるのか、何が規範なのかは教えてくれません。そこで重要になるのが哲学的な思考なのです。
九州大学
共創学部 共創学科
准教授 セビリア アントン 先生