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30分のミニ講義を聴講しよう! 天文学・天文教育は世界をつなぐ!
先人の努力の積み重ねという「巨人」の肩の上に立っていくことを助けるのが教育のねらいであれば、天文教育のねらいも同じです。実践は、身体的・文化的背景を超え、惑星地球の上に立つ我々人類という概念の共有につながります。その現代的実践を紹介します。
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう 宇宙の成り立ちを解き明かす、古くて新しい「天文学」の魅力

これまで数多くの研究者たちが未知の天体や天文現象の観測を行い、法則を発見してきました。「生き物はいつ生まれ、地球は誰がつくったのか」「地球以外にも生き物が暮らす星があり、彼らと出会うことはできるのか」など、誰もが一度は抱いたことがある問いに対して、星や宇宙の研究を通して客観的な答えを与えようとする科学が天文学です。 天文教育の3つのフィールド 天文学は、教育の分野でも社会に大きく貢献してきました。1つは研究者の養成です。人工衛星や巨大望遠鏡の設計・製作や、それを使った観測、スーパーコンピュータを使った計算、また理論研究を行う天文学の専門家を育成します。2つ目は教員の養成で、学校や教育施設における授業や指導を通して「天文学を学びたい」という子どもたちの心に火をつけ、専門的な学びへと導きます。3つ目は科学館の学芸員や科学雑誌のライターといった生涯学習分野です。この分野では、記事の執筆、天文のPRなどを通して天文学の魅力を世界中に広げます。 私たちは星からできている? ビッグバンにより宇宙が創成されたとき、世界に水素とヘリウム以外の物質はありませんでしたが、私たちの身体はそれ以外の多くの物質で構成されています。この100年の研究の結果、水素原子とヘリウム原子が重力で集まり恒星を形成し、恒星内部での核融合反応によって、さまざまな原子が誕生していったことがわかってきました。
つまり、私たちの身体は、星屑だったことが科学的に解明されたのです。このように、宇宙の新たな原理や法則を発見するといった科学的な解明が、私たちの意識や世界観を変えるということにも、天文学の魅力があると言えるでしょう。
和歌山大学
教育学部 科学教育
教授 富田 晃彦 先生