30分のミニ講義を聴講しよう! 進化する次世代の手術「単孔式腹腔鏡手術」

体への負担が少ない手術として腹腔鏡手術がかなり普及してきた今、より患者さんの負担を和らげようと、おへそに1つだけ穴を開けて行う「単孔式腹腔鏡手術」の研究が進んでいます。講義ライブではそれに必要な医療器具の開発や技術などをお伝えします。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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科学技術の世界は日進月歩です。10年、20年前には到底不可能と考えられていたことがあっという間に実現し、実用化される時代です。医療もまたしかりで、外科手術もわずか20年で劇的に変化しました。
まだ見ぬ未来に向かって、外科医をめざす人が増えることを望みますが、たとえどんな方向へ進もうとも、世の中を変えるようなことをめざして頑張ってほしいと思います。若い人にはそういう夢を見る特権があります。

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大きく切る手術から、負担の少ない手術へ 外科手術は革新的な変化を遂げてきました。わずか20年ほど前までは手術の成功率という観点から、大きく体表面を切開するほど名外科医とされる風潮がありました。それをガラリと変えたのが、1980年代に始まった「腹腔鏡手術」です。体表に数箇所の小さな穴を開け、お腹内部に炭酸ガスを注入し膨らませて仮設の作業空間を作り、別の複数の穴から医療器具やカメラを入れて手術をする方法です。患者さんの負担が少なく、術後の回復も早い「低侵襲(体への負担が少ない)手術」として急激に普及しました。今後は消化器の中でも深部にあり、合併症を起こしやすい肝臓やすい臓、胆嚢領域が課題です。 開ける穴を1つにして、より人にやさしい手術を また、体に開ける穴を1つにして、より患者さんの負担を和らげようという「単孔式腹腔鏡手術」の研究も近年進んでいます。おへそに1つだけ穴を開け、そこからカメラやいくつものメスなどが装着できるマルチポートと呼ばれる器具を取り付けて手術を行う方法です。単孔式腹腔鏡手術の発展には、十分な機能を持つマルチポートの普及が必要ですが、それはおそらく遠い未来ではありません。 次世代の低侵襲手術とは? 単孔式手術のアイデアは、2000年代に出てきた「NOTES(ノーツ・Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)」という新たな発想の手術がもとになっています。これは、口や肛門など自然孔から内視鏡と医療器具を入れ、体内で消化器官などの壁に開けた穴から目的の臓器へ到達し、手術を行うというものです。体表面に傷をつけないという考え方ですが、倫理面や安全性などの点でまだ多くの課題があり、主役の座を今のところ単孔式手術に譲っています。しかし、負担の少ない手術を望む患者さんのニーズと、医療機器や光学機器の発展が、NOTESを含む低侵襲手術の発展をこれからも後押ししていくはずです。

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科学技術の世界は日進月歩です。10年、20年前には到底不可能と考えられていたことがあっという間に実現し、実用化される時代です。医療もまたしかりで、外科手術もわずか20年で劇的に変化しました。
まだ見ぬ未来に向かって、外科医をめざす人が増えることを望みますが、たとえどんな方向へ進もうとも、世の中を変えるようなことをめざして頑張ってほしいと思います。若い人にはそういう夢を見る特権があります。

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