30分のミニ講義を聴講しよう! 遊びを通して学ぶ幼児の世界
幼児期の子どもは遊びを通して学びます。「学び」というと普通は「勉強」をイメージしませんか? 幼児は、勉強はしませんが、「遊びを通して学ぶ」のです。そんな幼児の学びの世界の具体を紹介し、幼児の学びを支える保育者の仕事についてもお話しします。
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう 多様なニーズが求められる現代社会で、幼児教育がめざすものとは?

保育者(幼稚園教諭、保育士、保育教諭)は保育の専門家ですが、例えば園庭の遊具に関することや、給食の献立やおやつについては、その分野の専門家の協力が欠かせません。多くの分野の人と関わりながら、企画し、修正して問題を解決していく力も保育者には求められます。 手間をかけて、子どもを育てる 「手間をかけずに簡単に!」が、豊かさの象徴のような風潮がありますが、子どもを育てることは「手間をかけることそのもの」です。1日の活動時間の大半を過ごす幼稚園や保育所は、子どもにとってはとても大切な場所です。しかし、待機児童の解消が先決課題という現実もあり、質より量を優先させた現実もないわけではありません。保育に関するさまざまな問題が報道されるのも、そうした現実があるからです。
子育ては地域全体で行うのが当たり前というのは昔の話で、隣に誰が住んでいるかさえわからない現代社会において、社会の宝である子どもを育てるという重要な役割を幼稚園や保育所が担う時代になってきました。親が働いている間に子どもを預かるだけではなく、「保護者の悩みも受け入れて一緒に子育てに取り組む場所」という視点からも、手間をかける保育に重きを置く幼稚園や保育所の増加が期待されているのです。 保育者の社会的評価を上げることも大切 転換期を迎えている幼児教育の現場において、保育者の待遇改善も大きな課題です。それは同時に、保育者に対する社会的評価を上げることであり、よりよい保育環境を整えるという側面においても重要なことなのです。保育者自身の意識改革も行いながら、保育の専門家としての保育者の役割を広く認知してもらうことが必要です。
宮城学院女子大学
教育学部 教育学科
教授 磯部 裕子 先生