京都工芸繊維大学 工芸科学部造形科学域 デザイン・建築学課程 教授 櫛 勝彦 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!「デザイン」という創造方法が状況を変える
いろいろな状況で私たちは自身の欲求を達成しようと調整し工夫します。この環境とニーズの適合を図る行為こそが、ヒトの自然な思考であり創造です。本来ヒトが持っているこの能力を、意識的にさまざまな問題状況に対して活用しようとすることがデザインです。
考え方を変える=デザイン
問題状況を再定義すれば答えが見えてくる?
「デザイン」という創造方法が状況を変える
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう幅広い領域に広がる「デザイン」という創造的アプローチ
注目される「デザイン思考」ある技術が製品化されるとき、消費者が「魅力的に感じるか」「使いやすいか」などを考え、視覚的な工夫が織り込まれます。このプロセスに必要な知識やスキルを有しているのが、「デザイナー」という専門家です。 デザイナーは、製品をどんな人が、どのようなシーンで、どういう気持ちで使うのか、生活の文脈や心理などから「ニーズ」を読み取ります。そして、ビジュアルが持つ効果や機能などに基づいて、商品の色やカタチなどを「デザイン」します。幅広く、深い視点でニーズをとらえ、モノを創造していく考え方や手法は「デザイン思考(デザイン・シンキング)」と言われ、幅広い領域で注目されています。感動を与える芸術作品と商品には、同じ源流がある写真家は何気ない光景から、「ここぞ」という1カットを切り取り、心に響くような芸術作品を創り上げます。彼らは自分が見るものを精査・分析し、その状況を自分ならではの視点で「リフレーミング(再解釈・再構築)」しているのです。 一方、最近は魅力的な新商品が登場しても、すぐに類似品が追随して「日常品」となり、人々は単に安いものを求めるようになりました。このような商品の「コモディティ化」から一線を画するには、独自の視点で現状をリフレーミングする力が必要です。感動を与える芸術作品と愛され続けるロングセラー商品の創造プロセスは、その根底に共通する源流があると言えます。「共創」のアプローチが、問題を解決するデザインは、消費者をはじめ、さまざまな業種や職種と関わり、響き合いながら、共に創る作業でもあります。この「共創」のアプローチは、プロダクトデザインや製品企画だけではなく、地域のまちづくりなどにも生かされています。 実際、今のソフトウェアは、Webを介してユーザーの意見を取り込みながら開発していく手法へと変わってきています。また、NPOや自治体などでは、住民と共に問題を発見し、解決していくための手法として活用されているケースも増えてきています。先生からのメッセージ
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