30分のミニ講義を聴講しよう! 100年前のアジアを調べる

現在、私たちが暮らす世界を理解するうえで、歴史を学ぶことにどのような意味があるのでしょうか。過去100年のアジアを、植民地統治や近代国家、情報などに焦点を当てながら理解する枠組みをお話しいたします。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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大学に入るに際して、好奇心を失わないでほしいと思っています。いろいろなことを知り、興味を持つことが大切です。その上で、さまざまな分野の本を読み、たくさんの人の話を聞いてください。
さらに、それだけではなく、自分が思ったこと、考えたことを人に話したり、できれば書いてみましょう。大学は単に知識を身につける場所ではありません。考える方法を自分で見つけて、それを実践する場所です。いまは、ぜひそのための準備をしてほしいと思います。

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アジアの植民地国家に現代国家の起源がある 19世紀から20世紀の初頭にかけて、東アジア、東南アジア地域は日本など一部の国を除いて、植民地統治下に置かれていました。これらの地域の現在の国家の起源は、この植民地統治の時代にさかのぼることができます。この時代に、さまざまな制度が構築され、現在、私たちが暮らす世界の原型が出来あがってきたのです。その1つが「国家による住民の監視制度」です。これは植民地統治下に置かれていた民衆が、独立を求めて政治運動を行いだしたことに対応して整備されたものでした。 「政治情報警察」はいかにして誕生したのか この政治運動の1つが共産主義運動でした。共産主義運動は、1917年のロシア革命によりソビエト連邦が成立した後に設立された「第3インターナショナル(通称コミンテルン)」から資金などの支援を受けていました。植民地を統治している側からすれば、この共産主義運動は大きな脅威だったので、共産主義運動の取り締まりは非常に難しいものでした。それは、誰が共産主義という思想を持っているのかが、その外見からはわからないことにありました。この問題に対処するために誕生したのが、「政治情報警察」でした。 地域に入り込み、学問的事実を構築する 政治情報警察がどのようにして共産主義運動を取り締まっていたのかについての研究は、主に公文書館に所蔵されている資料を使って行います。しかし、それだけでは全体像をつかむことができません。警察の調書に書かれている内容を確認するために、実際に現場に赴き、地図を片手に街を歩くことも、歴史を再構成する上で重要な作業です。
地域や歴史を対象にした研究を行う上で大切なのは、柔軟な想像力と、「現場感」とも言うべき、その地域やその時代が持っている雰囲気をつかむことです。これは机の上で学ぶだけでは得ることができません。さまざまな方法論を組み合わせ、資料と現場を往復することで、自分の感覚を磨くことが求められているのです。

先生からのメッセージ

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大学に入るに際して、好奇心を失わないでほしいと思っています。いろいろなことを知り、興味を持つことが大切です。その上で、さまざまな分野の本を読み、たくさんの人の話を聞いてください。
さらに、それだけではなく、自分が思ったこと、考えたことを人に話したり、できれば書いてみましょう。大学は単に知識を身につける場所ではありません。考える方法を自分で見つけて、それを実践する場所です。いまは、ぜひそのための準備をしてほしいと思います。

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九州大学
共創学部 共創学科
教授 鬼丸 武士 先生