愛知教育大学 教育学部 教育科学選修・専攻 准教授 中井 大介 先生

30分のミニ講義を聴講しよう!
心理学で人間関係の「?」を解き明かす
人間関係を理解をするとき、心理学には大事な「3つのメガネ」があります。しかし、私たちはいつも1つのメガネに頼り、落とし穴にはまってしまいます。講義ライブでは、皆さん自身にこの落とし穴を体験してもらい、人間関係の心理学の楽しさを学びます。
先生からのメッセージ
私は青年期を対象とした「発達心理学」と「学校心理学」を専門にしています。心理学は、一つひとつの小さな研究が集まって「集合知」を構成している学問です。人間の心と行動に関することなら、すべてが研究対象となるところが面白いと思います。
日常生活の中で「性格って血液型と関係あるのかな」「どうしたら失恋から立ち直れるだろう」といった疑問が出てくる人は、もしかしたら心理学に興味があるのかもしれません。そういうあなたと大学で一緒に学べることを楽しみにしています。
先生がめざすSDGs
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主観的理解・客観的理解・共感的理解の3つのメガネ
主観的理解の落とし穴
私たちは物事を理解するとき、いつも主観的理解に頼るクセがあります。つまり、自分の物の見方(認知)や自分のこれまでの経験に照らして物事を理解するクセがあるのです。この主観的理解はとても大切なものですが、この主観的理解は個人によって異なる側面があります。つまり、物の見方(認知)は遺伝によって生まれつき異なる部分もあり、個人の経験もひとによって異なる部分があります。そのため、同じものを見ていても見方(認知)が異なるということが起こるのです。これにより物事に対する誤解が生じてしまうことがあります。これが主観的理解の落とし穴です。
心理学は心と行動の学問
そのほかにも主観的理解では情報処理を簡略化しようとする「ヒューリスティックス」による推測なども行われ、誤解が生じやすくなります。このような主観的理解の落とし穴にはまりそうなとき少し便利なのが、客観的理解と共感的理解です。心理学を学ぶことによってこの客観的理解と共感的理解が少しできるようになるのです。心理学は、心と行動の学問であり、科学的な手法によって研究されます。この知識を身につけることによって、一度立ち止まって自分の思考や行動をモニタリングする「メタ認知」ができるようになり、客観的理解や共感的理解を少し行えるようになります。
3つのメガネで理解する
例えば、あなたのクラスに誰ともしゃべらない友人がいたとします。その友人を主観的理解だけでとらえると「何だか暗いひと」と推測するかもしれません。しかし、共感的理解をしてみると「何かつらいことがあるのかも」などと共感的に推測することができます。さらに客観的理解をしてみると、「(特定の場所で話ができなくなる)場面緘黙(かんもく)なのかな」などと客観的に推測することもできます。このように、主観的理解、客観的理解、共感的理解といった心理学の3つのメガネを使うことによって、他者理解を行うときなどに、少し広く、少し深く、他者を理解できるようになります。
先生からのメッセージ
私は青年期を対象とした「発達心理学」と「学校心理学」を専門にしています。心理学は、一つひとつの小さな研究が集まって「集合知」を構成している学問です。人間の心と行動に関することなら、すべてが研究対象となるところが面白いと思います。
日常生活の中で「性格って血液型と関係あるのかな」「どうしたら失恋から立ち直れるだろう」といった疑問が出てくる人は、もしかしたら心理学に興味があるのかもしれません。そういうあなたと大学で一緒に学べることを楽しみにしています。
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