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30分のミニ講義を聴講しよう! 社会的スキルを知れば人間関係がうまくいく
現代人を悩ませる要素として、最も多く挙げられるのが人間関係です。講義ライブでは、このような悩みの解消に向けて、社会心理学の領域にある「社会的スキル」という視点から、人間のコミュニケーションを分析し、円滑な対人関係の構築についてお話しします。
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう 異文化社会の中で、人間関係を円滑にするためには?

また、社会的スキルは文化によって異なるのも特徴です。例えば、日本文化から生まれた社会的スキル、中国文化から生まれた社会的スキルなどがあり、「文化特性」と呼ばれます。これらは共通している部分もありますが、異なった部分でコミュニケーションをとると、「文化的摩擦」や誤解が生まれます。 日本と中国の文化特性とは? 日本人は「察し文化」と言って、言葉に表さなくても、文脈の中で相手の気持ちをくみ取ることが得意です。さらに、あいまいな表現にも長(た)けています。例えば、断るときははっきりと言わず、「考えておきます」などと言う場合です。
一方、中国人は「面子(めんつ)文化」と言って、相手の面子を立てることが得意です。具体的には、お世辞を言ったり、豪華なプレゼントをしたりします。例えば、「爆買い」する商品の多くはお土産用で、「あなたのために、こんなにいいものを買ってきた」というアピールになります。相手の面子を立てることで、相手と関係がより近くなります。 文化的摩擦を回避するために アンケート調査によると、中国人は日本人に対して「本音と建前があり、表現があいまいで心理的な距離が遠い」と感じています。一方、日本人は中国人に対して「主張が強く、表現が直接的で心理的な距離が近い」と感じています。こうした文化による違いを知っておけば、より良い対人関係を築く上で役立つでしょう。
異文化社会の中で、対人関係を円滑にするためには経験が必要ですが、相手の文化や風習をあらかじめ知って、適応を図るトレーニングを行うのも有効なのです。
神戸学院大学
心理学部 心理学科
准教授 毛 新華 先生