30分のミニ講義を聴講しよう! 麻痺した体を動かす、そのメカニズム

神経、筋肉、心臓など、電気的な信号を使って動いている組織で、その信号を制御している分子とその働きを調べています。講義ライブでは体が麻痺(まひ)した突然変異の実験動物を題材に、神経を遺伝的に操作することでその動物を動けるようにする話をします。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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「生理学」は医学の基礎でもあり、生きている個体内で内臓や筋肉、脳、神経などがどうやって動き、どんな働きをしているかを研究する学問です。生理学ではよく「ゼブラフィッシュ」という、体が透明で内部器官の動きが目で見える小さな魚を使い、研究や実験を行っています。研究の結果、脳から体の各器官へ信号を送る神経系統の細胞や分子レベルでは何が起こっているか、徐々にわかってきています。興味がわいてきたら、ぜひ一緒に最新の生理学を学びましょう。

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夢ナビ講義も読んでみよう 神経系の病気克服をめざして ~生理学によるシナプスの研究~

シナプスは脳からきた指令の「変電所」 人間が手足を動かすメカニズムは、まず脳から出た電気的な信号が、脊髄から伸びる運動神経を経てさまざまな筋肉へ指令を伝え、筋肉がその指令通り動くことで成り立っています。運動神経の細胞から筋肉の細胞には直接電気的信号が届くのではなく、両者の細胞のすき間にはシナプスという「変電所」のような部分があり、そこでは化学物質によって信号を伝えています。シナプス部分の神経細胞側から神経伝達物質とよばれる化学物質が出て、筋肉細胞側にある受容体(レセプター)というタンパク質がこれを受け取り、外部からの情報を伝える仕組みです。 にせの神経伝達物質でレセプターをだます?! シナプスは細胞間の信号伝達において重要な役割を果たしています。運動や記憶など目的によってそれぞれ異なるシナプスがあり、各シナプス内では特定の神経伝達物質をレセプターとやりとりしています。ところがほとんどのレセプターは、特定の神経伝達物質と似たような化学構造を持つ物質だと、本物と勘違いしてしまいます。この性質を応用してシナプスの働きを人為的に操る「にせの神経伝達物質」が、薬剤なのです。 麻酔やシワとり注射の原理はシナプスの操作 運動神経系のシナプスの働きをシャットダウンする、にせの神経伝達物質を投与し、手術中に患者の筋肉が動かないようにするのが「麻酔」です。また、食中毒の原因となるボツリヌス菌から出るボツリヌストキシンという毒素は、シナプス内で神経伝達物質を放出させない働きを持っており、筋肉を動かなくして手足のまひを引き起こします。これを逆手に取り、顔のシワのある部分にボツリヌス菌を注射すると、その部分の神経伝達物質が放出されず筋肉が縮まなくなるため、シワが伸びる効果があります。これが美容外科で広く行われている「ボトックス注射」です。
生理学におけるシナプスの研究で、神経系の病気で動かなくなった筋肉を再び動かす医療も可能な時代が来ようとしています。

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「生理学」は医学の基礎でもあり、生きている個体内で内臓や筋肉、脳、神経などがどうやって動き、どんな働きをしているかを研究する学問です。生理学ではよく「ゼブラフィッシュ」という、体が透明で内部器官の動きが目で見える小さな魚を使い、研究や実験を行っています。研究の結果、脳から体の各器官へ信号を送る神経系統の細胞や分子レベルでは何が起こっているか、徐々にわかってきています。興味がわいてきたら、ぜひ一緒に最新の生理学を学びましょう。

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医学部 医学科 生命科学講座 生理学教室
教授 小野 富三人 先生