桃山学院教育大学 人間教育学部 人間教育学科 教授 湯峯 裕 先生

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夢をつかめ! 言葉が未来を切りひらく!
教育を仕事にするということは、こんな子どもたちを育てたいという自分の夢の実現に向かうのと合わせて、教えている子どもたちの未来を切りひらいていくことでもあります。そんな「夢のある教育」の、特にその一番の鍵である言葉の教育について語ります。
先生からのメッセージ
言葉は、時代によって変化していきます。例えば、よく使われる「すごい」という言葉は本来「背中が寒くなるほど、気持ち悪い」という意味です。今、この意味で使う人はほとんどいません。また、若い人の言葉づかいを批判する大人がいますが、当人が本当に正しい言葉を使っているかどうか、怪しいところもあります。
できるだけたくさんの言葉を使ってみて、自分のものにして、自分がどう感じたか、自分の言葉で説明できる喜びを味わえる授業について考えていきたいと思います。
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「言葉にできないこと」を表現する、難しさと楽しさ
小説に感動するのは、なぜ?
私たちは、「もの」や「感情」を言葉に変えて表現します。しかし、あまりに怒ったとき、悲しいときには、言葉が出ないことの方が多いでしょう。つまり、すべてが言葉に置き換えられるわけではないのです。そして、言葉に置き換えられない部分にこそ、言葉を発している人の個性や特徴などがあるのです。
私たちは、他人と共通すること、共有できる部分を言葉に置き換えています。これを「概念化」と言います。概念化するということは、一般化するということです。ところが、その人だけが持っている思いは、言葉にすることで抜け落ちてしまいます。小説家は、その抜け落ちている部分を自分の言葉ですくい取ります。小説を読んで感動するのは、今まで言葉として表現できなかったものを、小説家が代弁してくれることに喜びを感じるからなのです。
生徒に教えられることもある
国語の作文は、他人にわかってもらえる文章を書く訓練が基本です。そして、子どもたちが「言葉にできない部分の文章を書けるようになる」、そこまでするのが本当の国語の授業です。とはいえ、生徒が書ききれないことは、先生からは見えません。それが難しいところです。時には先生と生徒が言葉の上で、格闘することもあります。「そのように表現する方法もあったんだ」と教師が気づくこともあります。それは、ほかの教科にはないことで、国語の面白さと言えるでしょう。
教師として必要なこと
国語に限らずどんな教科でも、子どもたちに表現する喜びを感じさせる場を作ることが、これからの教育には特に求められています。自分だけの思いは、自分だけの言葉で、自分だけの表現手段でしか表せません。これを引き出すのは、教師の技術ではなく人としての温もりです。言葉を仲立ちとして、全身からにじみ出る温かみで、子どもたちの力を引き出せる教師が理想です。
先生からのメッセージ
言葉は、時代によって変化していきます。例えば、よく使われる「すごい」という言葉は本来「背中が寒くなるほど、気持ち悪い」という意味です。今、この意味で使う人はほとんどいません。また、若い人の言葉づかいを批判する大人がいますが、当人が本当に正しい言葉を使っているかどうか、怪しいところもあります。
できるだけたくさんの言葉を使ってみて、自分のものにして、自分がどう感じたか、自分の言葉で説明できる喜びを味わえる授業について考えていきたいと思います。
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