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30分のミニ講義を聴講しよう! 虐待から高齢者をまもる!
高齢化が進む現代の日本では、家族による高齢者への虐待が問題となっています。 ソーシャルワーカーは高齢者を保護し、支援のネットワークを作ることで虐待のない安全、安心な生活を送れるよう環境を整えます。その支援方法についてお話しします。
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう 人が生きて自己実現するための権利を守る、「ソーシャルワーカー」

例えば、不登校の子どもに対し、その子の心の内面をケアするのはカウンセラーの役割ですが、その子の周囲にいる友だちや先生、家族などに働きかけて不登校の原因を除去することをめざすのはソーシャルワーカーの役割です。 高齢者への虐待問題への対策 高齢化が進む現代の日本では、家族による高齢者への虐待が問題となっています。何らかの原因によって無職となり、親の貯金や年金で暮らしている人が、親が倒れ、高齢で身体が不自由になると介護しきれなくなり、感情的になって虐待を行ったり、必要なお金を使わせなかったりといったケースがあります。ソーシャルワーカーからの働きかけによって、被害者だけでなく、虐待をした家族も何らかの形で自分のお金を得られるようにするなどの支援が必要となります。収入を得られずに親の貯金や年金を頼っていることが、対人関係での問題や心の病の原因となっていることもあるので、解決に困難をともなうことも少なくありません。 ソーシャルワーカーに求められる役割とは ソーシャルワーカー自身が何か社会資源を持っているわけではありません。ソーシャルワーカーは、状況に応じてさまざまな方面に依頼して、問題を解決するためのチームを作ってマネジメント(まとめ役)を行う、一種のエージェント(代理人・代弁する人)のような役割を担う存在です。そこで大切になるのは、問題を抱える本人を決して批判することなく、話によく耳を傾け、信頼関係(ラポール)を築き、その人の力を引き出し、ともに問題解決をめざそうという姿勢です。「人が生きて自己実現をしていくための権利を守る仕事」、それがソーシャルワーカーの役割なのです。
聖徳大学
心理・福祉学部 社会福祉学科
准教授 須田 仁 先生