東京医科歯科大学 歯学部 口腔保健学科 教授 荒川 真一 先生

30分のミニ講義を聴講しよう!
口と全身のヘルスプロモーション
現在日本は超高齢社会です。一方、歯周病を初めとする口の病気と全身の病気には深い関係があることがわかってきました。そこで、人々が健康で長生きするために、歯科医師・歯科衛生士は医師、看護師、栄養士などとともに連携することが求められています。
先生からのメッセージ
現在、日本は超高齢社会で高齢者が非常に多くなっています。しかし、単に長く生きるのではなく、「健康に長生きすること」が非常に重要です。歯、口の病気と全身の病気は非常に深い関係があることがわかっています。口の中の環境を整えるということは、全身の病気の予防になるということで、歯科が非常に重要になってきています。ぜひ、あなたが、歯科に興味を持ってくれると嬉しいです。
先生がめざすSDGs
夢ナビ講義も読んでみよう
簡単かつ安全に歯を清潔にキープできるオゾンナノバブル水
注目を浴びるオゾンナノバブル水
オゾンナノバブル水とは、直径100ナノメーターのガス核としてオゾンが入った水です。もともとオゾン水には殺菌作用があることで知られていましたが、10分程度でオゾンが抜けてしまうのが難点でした。ガス核の小さいナノバブル水なら、紫外線さえ避ければ数カ月はオゾンが抜けないという利点があり、徐々に歯科の現場に導入されつつあります。主な使い道としては、うがいに使う場合、歯石を取るスケーラーという機械から超音波で噴出させる場合があります。
実際にオゾンナノバブル水を超音波スケーラーで使った場合と普通の水を使った場合の細菌の数を8週間にわたって測定したところ、水の場合は細菌の数が戻っていきましたが、オゾンナノバブル水の場合は8週間時点でもなお低い状態だったというデータが出ています。
オゾンナノバブル水の効果的な使い方
ブラッシングでバイオフィルムというばい菌のかたまりを砕いた後、うがいに使うと効果的です。超音波スケーラーで大量に使えば、歯石が取れるだけでなく治療効果が上がり、血液中に細菌が入る菌血症の予防になる可能性もあります。ただ、オゾンナノバブル水は、たんぱく質に引き寄せられてしまうと、オゾンが細菌の方に行かない性質があるので、使い方を間違えると効果は望めません。
ヘルスプロモーション:健康寿命の延伸へ
うがいだけで簡単に効果が得られるのは、超高齢社会の現在、大変注目すべきことです。高齢者が増えると、寝たきりになったり、歯磨きなどの日常の作業が難しい人も増えるわけで、うがいだけでも、ある程度殺菌効果が認められ、口腔内を清潔にキープできるのは有難いことです。
現在、国の方針として「長生きするなら元気に」ということで健康寿命の延伸が叫ばれています。口腔内の状況をよくすることは糖尿病や心臓血管疾患など全身病の予防にも深い関わりがあると言われています。オゾンナノバブル水の活用によって健康寿命の延伸につながることが期待されているのです。
先生からのメッセージ
現在、日本は超高齢社会で高齢者が非常に多くなっています。しかし、単に長く生きるのではなく、「健康に長生きすること」が非常に重要です。歯、口の病気と全身の病気は非常に深い関係があることがわかっています。口の中の環境を整えるということは、全身の病気の予防になるということで、歯科が非常に重要になってきています。ぜひ、あなたが、歯科に興味を持ってくれると嬉しいです。
先生がめざすSDGs
- このTALKも見てみよう
は英語字幕あり
-
一覧へ戻る
東京医科歯科大学
歯学部 口腔保健学科
教授 荒川 真一 先生