この夢ナビTALKは英語翻訳されています。動画の右下の字幕のアイコンをクリックすると英語字幕が表示されます。

30分のミニ講義を聴講しよう! 人と生態系と地球環境を守る 工学技術とは

「地球上で安全な水が手に入らない人、そして衛生的なトイレがない人はどれくらい?」「将来、食糧は充分にある?」問題解決のために、重要な基礎科学と、必要な工学的手法について説明します。そして、人が生きるための「水」について考えましょう。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

先生画像 メッセージ動画

何よりも基本を大切にしてください。高校時代に身につけた知識は、理系では大学1~2年生の間に集中して養う基礎的な学問の土台となります。研究に必要な基礎知識に加えて、京都大学工学部では早い時期から専門科目も選択できます。基礎と専門をしっかり学んでおけば、やがて研究室に配属されたときに、自分の力を思う存分に発揮できるでしょう。私を追い越すつもりで、面白いと感じる研究に打ち込んでほしいと思います。そして、アジアをはじめとする世界の問題を解決できる人材に育ってください。

先生がめざすSDGs

この先生が所属する大学の情報を見てみよう

夢ナビ講義も読んでみよう 水問題や食糧不足を解決する「魔法のトイレ」

学校へ行けないのはなぜ? 2003年、世界の水問題を話し合う、第3回「世界水フォーラム」が京都で開催されました。これに参加したアフリカのある少女が、「私たちは教育を受けることができない」と訴えたのです。彼女は片道4時間もかかる水くみのために、学校に通う時間がないのです。村の近くには川が流れていますが、上流に住む人々の排泄物が流れてくるので飲み水にはできません。だから遠くまで水くみにでかけなければならず、学校に行きたくても行けないというのです。 排泄物から得られる宝 排泄物は固体(便)と液体(尿)に分類できます。便には病原性微生物が含まれますが、尿は実はきれいなものです。しかも尿には窒素・リン・カリウムなど植物の肥料となる栄養物質が、豊富に含まれています。「汚い固体」と「きれいな液体」は別々に排出されるのですから、そのまま分けて処理すれば肥料を取り出すことができます。そのために考案されたのが、「し尿分離式トイレ」です。
便は灰を使って病原菌を処理します。発展途上国では燃料として木を燃やすので、その時に出る灰を有効利用するのです。灰はアルカリ性で臭いを吸収するうえに水分を吸収するときに発熱するので、病原性微生物を早く殺して消毒します。こうした処理済みの便は、土壌改良剤としても活用できます。
衛生工学で食糧問題に挑む アフリカの最貧国の一つマラウイで、試験的にこのトイレが導入されました。尿を肥料として活用することで農作物の収穫量が増え、蓄えもできるようになりました。その蓄えで得た資金でトイレを増設し、現在は約1000基が設置されています。排泄物もアイデア次第で資源になるのです。このトイレは、日本でも災害時の活用を想定した実用化が進められています。このような問題解決法は、人々の命を守る「衛生工学」の分野で研究されています。衛生工学は、世界の人口が増えるにつれ大きな課題となっている食糧問題を解決する手立てにもなるのです。

先生からのメッセージ

先生画像 メッセージ動画

何よりも基本を大切にしてください。高校時代に身につけた知識は、理系では大学1~2年生の間に集中して養う基礎的な学問の土台となります。研究に必要な基礎知識に加えて、京都大学工学部では早い時期から専門科目も選択できます。基礎と専門をしっかり学んでおけば、やがて研究室に配属されたときに、自分の力を思う存分に発揮できるでしょう。私を追い越すつもりで、面白いと感じる研究に打ち込んでほしいと思います。そして、アジアをはじめとする世界の問題を解決できる人材に育ってください。

先生がめざすSDGs

この先生が所属する大学の情報を見て見よう

清水 芳久 先生の他の夢ナビ講義
1分動画
湖や川の水の動きを予測する流域管理シミュレーション 夢ナビ講義を見る
このTALKも見てみよう 英語字幕は英語字幕あり

一覧へ戻る

京都大学
工学部 地球工学科 環境工学コース
教授 清水 芳久 先生