30分のミニ講義を聴講しよう! 次代の医療へ~中性子捕捉療法ってなんだ?

手術で脳の健康を保つのが、脳神経外科医です。現時点では、治療が困難といわれている脳疾患の根治もめざし、脳神経外科の分野では研究が行われています。講義ライブでは悪性脳腫瘍に対する最先端の治療、ホウ素中性子捕捉療法について解説したいと思います。

受講した高校生のコメント

先生からのメッセージ

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私は子どものころから機械いじりが好きで、ものの中身を知ることに興味がありました。そして今は、ヒトの身体で一番精巧な脳を専門にしています。脳にはいまだに謎が多く、治すことができない難しい病気もあります。しかし、医師や看護師、薬剤師、物理学や化学など多様な分野の専門家がチームを組んで、治療法の確立に挑んでいます。まさに、「チーム医療」の時代なのです。新しい治療法ができれば、世界中の何万人という人々を助けることにつながります。ぜひ大きな夢を持って、医学部をめざしてください。

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夢ナビ講義も読んでみよう 次世代のがん治療―中性子線を使って悪性脳腫瘍を切らずに治す

外科的な手術が困難な悪性脳腫瘍 肺や胃などの臓器は、手術によって一部を切り取ってもその機能が維持できます。ところが脳は、機能が明らかになっていない部分も多く、すぐ切除するというわけにはいきません。特に脳の内部にがんができると、正常細胞とがん細胞との境界を判別し、がん細胞だけを切り取るような手術は不可能です。さらに、脳には「血液脳関門」と呼ばれるバリアがあり、血液中の物質を簡単には通さないので、薬が効かない場合もあります。このように、正常な脳に潜んだがんの細胞まではメスで切り取ることができず、有効な薬も少ない病気を「悪性脳腫瘍」と言います。 中性子線でがん細胞を狙い撃ち 悪性脳腫瘍の新しい治療法として、「中性子線」を使った、患者さんの身体への負担が少ない放射線治療があります。
まず、がん細胞に取り込まれやすい「ホウ素化合物」を血管から注射します。そして中性子線を照射すると、ホウ素を取り込んだがん細胞だけで核反応が起き、破壊されるのです。なんと細胞1個単位にピンポイントでがん細胞だけを狙い撃ちできるので、周りの正常細胞に影響がでません。この治療法は、「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」と呼ばれ、日本は世界一の治療実績を誇っています。
普及が期待される次世代治療 しかしこの治療法は、これまで原子炉のある場所でしか行えないという場所やコスト、安全面での課題がありました。またX線やガンマ線と異なり、中性子線はまっすぐ進まないのでコントロールが難しいという特性もあるのです。現在、これらの課題をクリアするため、医学だけではなく物理学、薬学、化学など多分野の専門家が連携して研究が進められています。2012年10月には、病院に設置できる小型の装置として、加速器を使ったBNCT機器が開発され、実用化へ向け臨床試験が始まりました。この研究が進めば将来は、治療室の中で数時間じっと過ごしている間に、がん細胞をやっつけられるようになるかもしれません。

先生からのメッセージ

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私は子どものころから機械いじりが好きで、ものの中身を知ることに興味がありました。そして今は、ヒトの身体で一番精巧な脳を専門にしています。脳にはいまだに謎が多く、治すことができない難しい病気もあります。しかし、医師や看護師、薬剤師、物理学や化学など多様な分野の専門家がチームを組んで、治療法の確立に挑んでいます。まさに、「チーム医療」の時代なのです。新しい治療法ができれば、世界中の何万人という人々を助けることにつながります。ぜひ大きな夢を持って、医学部をめざしてください。

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准教授 川端 信司 先生