長岡技術科学大学 工学部/工学研究科 電気電子情報工学分野 教授 大石 潔 先生

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ドラえもんを造るには力制御技術が必要!
人間がドラえもんのようなロボットと暮らすには、「力制御」という技術が必要です。これは、ぶつかった時に人間に怪我をさせないように、ロボットが力負けして止まってくれるという機能です。人間とロボットが共存するための制御技術について解説します。
先生からのメッセージ
私はモーターを使って、いろいろなものを制御する「モーションコントロール」について研究しています。特にモーターの力を速く、正確に制御する技術を開発しています。こうした技術が進化することで、人間と一緒に作業ができるようなロボット、あるいはドラえもんのように手をつなげるロボットを実現できるでしょう。
そのためには、ロボットの「力制御」が必要です。優しい感触で握手をしてくれるドラえもんを作りたい人は、ぜひ私の研究室に来てください。
先生がめざすSDGs
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人間がロボットと共存するために必要なこととは?
人間と共存できるロボットは可能なのか
現在、世界中でさまざまなロボットが活躍しています。産業用ロボットの中には、人間では立ち入ることができない危険や過酷な場所で作業したり、目に見えないような細かい作業や超高速スピードで作業できるロボットもあり、その性能や進化は目を見張るものがあります。また、人間のそばで作業したり、一緒に生活できるような家庭用やサービス用のロボットの開発も行われています。ただ、こうしたロボットを作るのには、産業用ロボットとは違った難しさがあります。
めざすのは「弱い」ロボット!?
産業用ロボットは正確な位置を制御し、非常に強い力を出す仕組みになっています。こうしたロボットを「サーボ剛性」が強いロボットと言います。一方、人間と共存するロボットに必要なのは、強さではなく弱さです。ぶつかったり、握手をしたりなど接触をした時に強い力をかけてきて、人間の骨が折れてしまうようなロボットとは、一緒に生活することはできません。位置制御の精度は多少犠牲になっても、柔軟で滑らかな動きができる、つまり力制御ができる「サーボ剛性」が弱いロボットが求められているのです。
力を弱くすることは簡単にできそうだと思うかもしれませんが、モーターは強い力を出すような構造になっているので、実は難しい技術なのです。でも、力をコントロールできれば、ドラえもんのような友だちロボットも夢ではなくなります。
鉄道にも組み込まれている力制御の技術
友だちロボットの登場にはまだ時間がかかりそうですが、力制御の仕組み自体は、すでに鉄道などの分野で活用されています。列車の車輪は常にレールの上に接地しているのではなく、厳密にはレールの上を滑りながら動いています。列車のスピードを上げるとこの滑りは大きくなり、制御できなくなると脱線につながります。新幹線でもローカル線でも鉄道は、この滑りを計算して制御することで、安全に加減速ができる車両が作られているのです。
先生からのメッセージ
私はモーターを使って、いろいろなものを制御する「モーションコントロール」について研究しています。特にモーターの力を速く、正確に制御する技術を開発しています。こうした技術が進化することで、人間と一緒に作業ができるようなロボット、あるいはドラえもんのように手をつなげるロボットを実現できるでしょう。
そのためには、ロボットの「力制御」が必要です。優しい感触で握手をしてくれるドラえもんを作りたい人は、ぜひ私の研究室に来てください。
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