京都工芸繊維大学 工芸科学部設計工学域 電子システム工学課程 教授 門 勇一 先生
30分のミニ講義を聴講しよう!エネルギーをつくり、ネットで自由に配る
多数の電子はエネルギーを運び、少数の電子は情報の処理と伝達を担います。多数の電子と少数の電子を別々の素子で上手に融合して使うと、自ら使うエネルギーを太陽光パネルでつくり、余ったエネルギーを電池に蓄え、ネットで足りない人に自由に配れます。
フラットな電力ネットワーク
電力ルーターの仕組み
環境に優しいエネルギーで起こる電気の問題
エネルギーをつくり、ネットで自由に配る
先生からのメッセージ
夢ナビ講義も読んでみよう電気は地産地消しシェアする時代へ~電力のインターネット化に挑戦~
電気工学における社会的課題自動車やロボット、冷暖房、調理器具、さらにこれらを制御しているコンピュータも、電気エネルギーで動いています。社会では、ますます電気エネルギーの需要は増すと予測されており、安全に低コストで供給できる技術が求められています。また、地球温暖化防止のためには、石油やガスなどの化石燃料を使わずに発電する太陽光や風力など再生可能エネルギー源を大量に導入する必要もあります。さらに、災害の多い日本では、災害時に電気が止まっても、専門の技術者を待つのではなく、一般の人が簡単に安全に電気の復旧復興ができるようなシステムが求められています。電力ルータを使った相互融通型の電力ネットワークこれらの課題に応えようと開発されているのが「電力ルータ」という装置です。一家に1台、電力ルータと蓄電池を設置し、各家庭と発電機を持つ自治体とをネットワークでつなぎ、双方向で安定的に安価な電気を融通し合うことができれば、課題解決への大きな一歩となります。 例えば、自宅が停電した時、「電力ルータ」を介して隣の家から余っている電力をわけてもらえるようになります。また、太陽電池などの再生可能エネルギー源も「電力ルータ」により蓄電池と組み合わせてネットワーク化すれば大量導入可能です。つまり、地産地消型で、災害に強い自律型の電力ネットワークが実現できるのです。開発型ベンチャー企業と連携して開発が進められている地域があります。世界における電気エネルギーの現状地球上には電気エネルギーの需要が高まる先進国がある一方で、約14億人の暮らす地域では、今もって電気が使えません。現在、研究開発中の日本の一般家庭で使える「電力ルータ」は、これらの発展途上国でも使える技術となるはずです。使用者自身でメンテナンスできる電力融通システムを低コストで提供することが可能となるでしょう。ドイツのアーヘン工科大学や米国のジョージア工科大学でも、こうした研究開発が行われています。先生からのメッセージ
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